<ギャグとコメディの境目、みかん好きの女の子は果たしてどちら側?>
煙田さんが紹介しているのを見て気になったのもつかの間、その後すぐに職場近所のコンビニで流れたのを耳にし、その瞬間に「この曲だ!」と思い至りました。それほどわかりやすいこの一曲です。
「れ〜いとうみかん れ〜いとうみかん れ〜いとうみかん よ〜んこいり〜」と、およそフツーの歌らしからぬサビ。その冷凍みかんをチョイスしてくる突拍子のなさも手伝って、一発で頭の中に叩き込まれるメロディラインは、はじめて聴いた後でもすぐに空で歌えるほどです。チープな音色(きっと、わざと)の後ノリキーボードも中毒性があります。冷凍みかん中毒。頭がキーンとしそうだ。
まあ実際、本当に冷凍みかん中毒なのかっていうくらいに冷凍みかんを賛美し食べ続ける歌なのです。初デートの待ち合わせに向かいながら、『駅のホームでまず1個 電車の中でもう1個/彼待ちながらもう1個』瞬く間に食べてしまいます。1個は「彼」に残しておくつもりだったのに、結局待っている間に食べてしまう。
どうしよう、もう一袋買ってこようか…と思っているうちについに「彼」がやってくる、そしてその手には、なんと!冷凍みかんが!ギャー!…じゃなくって、めでたしめでたし、という。
なんじゃそら、ってツッコミ待ちのコミックソング、と片付けられそうなこの歌ですが、しかし何から何まで(笑)がついているような喜劇ではないわけで。…もちろん、「冷凍みかんとは○○の象徴で、実はこの裏には深い悲しみが/鋭い社会批判が隠されているのではないでしょうか」なんて言うつもりはさらさらないのですが。
たとえば、昨年けっこう話題になったりしたトンガリキッズ「B-dash」やグループ魂「君にジュースを買ってあげる」あたりは、「面白さ」のみを追求して作られた、紛うことなき純粋なコミックソングです。対してこの「冷凍みかん」は必ずしもそうとは言えない。題材の選定や恰好はファニーではあるけれども、カッコイイ/ステキな恋愛ではないけれども、こんなほのぼのとしたカップルがあってもいいよね、くらいのスタンスでこの歌を投げかけているように感じるんです。
この曲を気に入る聴き手は、きっと「こんなシチュエーションありえないよー」と笑いながらも、「でも、こういうのもいいなあ」と考えるのではないでしょうか。そういう受け入れられ方は、コミックソングとはまた違う種類のものです。漫画で言えば、「笑えるギャグ」ではなく「良質なコメディ」みたいな。そういえばこの曲のありえない偶然のハッピーエンドオチとか、少女漫画家の初期短編作みたいですよね、ノリ的に。
歌っているGTPは女性3人組のガールズバンド。これが3枚目で、デビューは吉田拓郎「春だったね」のカバーだったりして、もともとユーモア路線ではないような。なんかこの曲の自由奔放さから見て、デビュー前に半分冗談で作った曲がライブとかで面白がってもらえていたので出しちゃいました、みたいなリリースのような気がしてなりません。狙ってこのノリは出せないんじゃと思いますんで、狙ったならそれはそれですごい。
GTP
コメント(0)| Track back(0) | 2006年06月24日
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