<恋人を「失った」哀しみを、感情に浸りきって描く詞の書き方>
相変わらずコワモテの割には純情恋愛な世界を展開するEXILEの、真正面からのバラードです。
詞の書き方だけでピンときましたが、これソロ活動でcolorやっていた人の詞ですね。「…」の多用ですぐわかりましたよ。…って、あれ?違うの?この曲はSHUNで、colorの詞はATSUSHI?…そうなんですか。ありゃりゃ。確かにこちらは「。」(句点)まで登場してますね。
「…」を使うと、その部分で余情を伝えることができます。『あの頃の僕と言えば/愛し方さえも知らず…ただ…』と書くと、不器用だった過去の自分への「後悔」がこの「…」の中に詰まっているんだ、ということが一目でわかるわけです。で、『不器用にキミを傷つけて/優しさ忘れていた。』と「。」を使うとどんな効果があるかというと、まあ本来の使い方どおり「区切り」、その言葉がちょっと強めに響くような「言い切り」の印象を与えることができます。あと、つぶやいているような響きとかですかね。なんだか独特の雰囲気が出ます。
こういう書き方は、普通に書くよりも明らかに「作者の思い入れがこもっていることをアピール」できるんですね。だから、そうやって書かれた世界にハマる人にとっては共感を増幅させるし、ハマれない人にとっては「ちょっとウザい」ものになります。個人的には正直、キツイです。
まあ、音楽だけ聴いているぶんには関係ないことですし、曲そのものにはまっちゃえば許容できるわけです。この曲、Aメロの低い音域とか、サビの『ただ逢いたくて…』『もう逢えなくて』『くちびるかみしめて』とつながる三段階の盛り上がりとか、メロディラインが工夫に満ちていてけっこう好きなんで、詞だけ取り出すとちょっと…ですが、まあいいんじゃないかなと。
ちなみに、一般人が「…」や「。」を使った詩を書いたりするのは、音楽もないことだしやめたほうが賢明です。
そういうわけで、若さゆえ失った恋への未練を切々と歌い上げています。『キミの居ない世界をさまよう。』という辺りがこの種の曲の典型的なところで、相手とは「二度と逢えない」「消えてしまった」という描き方をするんですね。現実では二度と会えないってことはそうはないわけですが、こう描くことで聴き手の切なさが煽られます。「これって死別の歌なんじゃないの?」という噂になる歌がけっこう多いのも、恋人が「消えてしまう」ように描く歌が多いからではないかなと。
で、そんなタイプのストーリーの中でも、「…」のせいもあり、それに頼らないところでも『くちびるかみしめて 泣いてた。』とか、「未練度」の値がかなり高い感じです。今作った言葉ですが。「未練度」。
でも『今ならば叫ぶ事もキミを守り抜く事も出来る。』と成長した自分をアピールするのはちょっと珍しいですね。こう言えるなら普通は「キミのことは思い出としていつまでも残すけど、僕はキミのいない自分の道を歩いていくよ」というストーリーになるところじゃないですか?そこをあえて「成長したけれど、それでも忘れられない」というギャップを作って、その哀しみをより深いものに感じさせているのかもしれません。
EXILE
コメント(1)| Track back(0) | 2006年02月04日
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