ビジュアル系、とまとめてしまうと何だか本人方やファンの方に嫌がられたり怒られそうな気がしないでもないんですが(現代人って、分類されたり分析されたりするの嫌う傾向ありますよね。やっぱりオンリーワン志向なのか)ちょっと便宜上そう呼ばせてもらいます。
で、そうしたビジュアル系バンドっていうのはそれぞれに「世界観」というか「美学」へのこだわりがあって、そこが受け入れられるかどうかが非常に重要だと思うわけです。すでに五年も前になってしまった隆盛期から残っているグループっていうのは、どこもかなり独自の強い個性を持ったところですし。
で、PIERROTは、自分としてはぶっちゃけ好みじゃないんですが、それはつまり世界観や美学が自分と違うわけであって、それだけ確固たる独自性があるということで・・・と、フォロー。
ビジュアル系バンドは、全体として「非現実」的な世界を描くことが多いです。FANATIC◇CRISISなんかはけっこう日常寄りポップ路線だったりしますが、これはかなり例外的で。ひとことで「非現実世界」といってもいろいろタイプがあって、たとえばLa'cryma Christiあたりは淡くファンタジックな空間を紡ぎ、MALICE MIZERは物語・芝居仕立てな歌が多い、などなど。そうした中でもPIERROTはわりと異色なほうで、言うなれば「露悪系」とも言いますか、退廃的・破壊的・破滅的・扇情的な傾向の言葉を用い、ホラー・グロテスクな世界を繰り広げます。あ、サイバーSFみたいな要素もあるかな。この曲でも『踊らされて殺し合って』とか『発火装置はすでに/火花散らして自爆秒読み』とか、実に過激です。彼らのことはあんまり詳しくないんでざっと調べた程度なんですが、美醜入り混じり、混沌とした空間を生み出す傾向が強いようです。恋愛を主軸にしたりもしますが、それもバックに露悪的な世界を描いていて、それである種の悲劇性を出していたりするわけで。
似たような方向性としてはDir en greyが挙げられますが、そちらは徹頭徹尾に破滅的で救われないのに対し、ピエロは必ずしもそうではないっぽいです。人間社会はひたすら侮蔑しまくりますが、自然には時に救いを見出したりもします。サビ部分、『空は限りなく色艶やかに舞い踊り世界を洗い流す』といった、「浄化」みたいな概念があるんですね。まあ大抵「破滅」の後の浄化だったりするんですが、そういうイメージはなかなかぐっとくるものがあります。
ただ、曲において「浄化」な部分をサビに持ってきて、そこで曲調までがらっと明るくなるのには、ちょっとずっこけそうになるんですけど。デビューの「クリア・スカイ」からそうだったし、この急転換は持ち味でいい人にはいいんだろうなあとは思うんですけど、ちょっと自分には違和感としてしか。
和風の味付けは、今の流行とはまた違う、ビジュアル系的なダークさがあって面白いんですけど、詞はそうしたイメージを散りばめているってほどじゃないし、やっぱりサビの急変でその雰囲気が根こそぎなくなってしまうし、生かしきれてないような感があります。それにしても、タイトルと内容を照らすに、『僕』がつまり「Smiley Skeleton」なんですかね、これ。ホラーだ。
PIERROT
コメント(0)| Track back(0) | 2004年07月22日
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