J-POPヒットチャート歌詞分析ブログ

現代ポップス考。(移転しました)

GOING UNDER GROUND「サンキュー」
      

サンキュー
GOING UNDER GROUND, 松本素生
ビクターエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


 ひたすらセンチメンタルな音楽で突っ走るGOING UNDER GROUNDの最新シングル。通して試聴できるPVはちょっと映像的に強烈ですが、ひとたび聴いてしまえば、何かしら心が揺さぶられるものがあるはずです、と言い切れる、切なさ全開な出来になっています。いや毎回そうなんですけど、今回は特に少年時代の回想なイメージが強く、凶悪なくらいに郷愁のツボを刺激してきます。

 ここで、「詞のどういう箇所が切なさを出しているのか、引用して分析する」ってのがいつもの自分のスタイルなわけですけど、この曲の場合はっきり言って「全部」です。どこを切ってもセンチメンタルまっしぐら。
 ただし注意しておきたいのは、ここにあるのは単なるノスタルジーではないってこと。回顧であっても懐古ではない、「あの頃はよかった」ではなく、「あの頃からいろんなものを失った今」の自分を見つめている視線(『僕はどんな風に見える?』という問いかけが示すような)が中心にあるというか。「懐かしさ」よりも、「寂しさ」「喪失感」が前面に押し出されているわけですね。
 で、そうした心残りの最たるものとして『君に言えなかった「サンキュー」』がある、と。伝えたかったのに伝えられなかった感謝の言葉、それは切ない感動な要素トップ3に入るくらいの強力なものです。かく言う自分も最近KOKIA「ありがとう・・・」で泣きましたが。この「サンキュー」は先に述べたように全体がとにかく切々としているので、あざとさもまったく感じません。それは、「ありがとう」ではなくてもっと軽めの「サンキュー」であるせいもあるかもしれません。こっちはこっちで、過ぎ去った日の親しさ、みたいなものを内包していて、ぐっとくる言葉なんですけど。

 で「いろんなものを失ったり、不完全な自分だけど、前向きに生きていくよ」という締め方になるのはもうこの種の曲の必然なんですけど、しかしポジティブさの描き方までもたとえば『すり減らした靴と声で』、『泣きたいときに泣ける強さが/どこかでかならず僕らを守りつなげる』と、手にしているものは貧弱で、強さとして掲げるのは泣けることで、とぜんぜん力強くないナイーブさでもって示されています。文句なく、センチメンタルに徹底した詞世界だと言えるでしょう。

 音もセンチメンタルです。キーボードがひたすらビブラフォンの音色をこれでもかというくらいに柔らかい音で奏でていて、これだけで雰囲気が十分に出てます。盛り上げ方もよく出来ていて、前作「ハートビート」の時指摘したアレンジの難が、ずいぶん改善されている印象です。間奏前のブレイクと、たまにやっぱりドラムのシンバル系が重く聴こえるのが気になったんですけど、あとはかなりよく出来ていると思います。
 声も味あっていいですよね。『欲しがった』のとこの言い方とか、実にうまいし。

 前から気になってたんですけど、シングルタイトルって、カタカナ縛りなんですかね?なんだかこだわりがありそうですが。

GOING UNDER GROUND

コメント(0)| Track back(0) | 2004年10月16日

コメントは投稿されておりません。

名前 :
タイトル :
URL :
コメント :
<< 設置してみた。
                 

にほんブログ村 音楽ブログへ      
・最近の邦楽を毎日片っ端から取り上げてコメントしています。単純に好き嫌いだけでなく、歌詞中心に、ポップス全体の傾向やひいては社会の流れとかまで、一曲一曲の中からすくいとっていけたらなあと。
 リンクフリー。どの記事にでも、直リンOKです。

はじめていらした方は、こちらをどうぞ。

2006年・年間シングルチャート一覧
1〜50位まではこちら
51〜100位まではこちら
1月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
     

     
category
近況やお知らせ。
J-POPレビュー男性(あ行)
J-POPレビュー男性(か行)
J-POPレビュー男性(さ行)
J-POPレビュー男性(た行)
J-POPレビュー男性(な行)
J-POPレビュー男性(は行)
J-POPレビュー男性(ま行)
J-POPレビュー男性(や・ら・わ行)
J-POPレビュー女性(あ行)
J-POPレビュー女性(か行)
J-POPレビュー女性(さ行)
J-POPレビュー女性(た行)
J-POPレビュー女性(な行)
J-POPレビュー女性(は行)
J-POPレビュー女性(ま行)
J-POPレビュー女性(や・ら・わ行)
J-POPレビュー番外(男女混合、企画モノなど)
J-POPレビューアルバム編。
J-POPその他。(ニュース、雑感など)
お気に入り曲紹介。
お気に入り曲紹介「夏の名曲選」(23+寄稿3曲)
メールマガジン。
漫画のこと。(雑誌)※更新停止
漫画のこと。(単行本)※更新停止
過去の日記(04/06/18〜05/04/07)
過去ログ発掘。
このブログについて。
メールマガジン発行しています。
詳しい内容説明は、こちらで。
メールマガジン
『現代ポップス雑考。』
めろんぱん ↓E-mailを入力


↓現在の注目CD&本。(2/4更新)


柴田淳
HIROMI

淡々とダークな作風は、
2007年も健在の模様。
今回も、決して取り乱すことなく
ドロドロの本音を聴かせてくれます。


salyu
TERMINAL

作詞に一青窈 が加わったことで、
透明な世界に徹した1stよりも
輪郭が濃くなった印象の2nd。
「to U」のソロ版も入っているけど、
あんまり必要なかったかも…?


bonobos
Standing There〜いま、そこに行くよ〜

今年の自分を振り返ると、
この手のゆったり感のある
心地よいリズムがツボでした。
PV丸ごと試聴もあります。
なかなか感動的で後を引く。


メレンゲ
underworld

前々から薦められていたバンド、
PVフル試聴あったので聴いてみました。
雰囲気、かなーり好きな感じ。
映画タイアップの関係もあってか、
田中麗奈使いすぎな感じだけど、
それだけ押したいのもわかるかも。


あずまきよひこ
よつばと!6巻

読んでいるとほっとする上に
文句なしに笑えるという稀有な漫画。

bookmark
ことばのすきま。
このブログの本拠地、管理人のホームページ。スピッツ全曲紹介更新中。
落書きだらけの夢
どこよりもマニアックなスピッツ全曲解説と+αの、管理人の別サイト。
独りごと以上エッセイ未満。
日記用ブログ。こことは文体変えてます。ちょっとマジメ、ちょっとカッコつけ気味。


ORICON STYLE
言わずと知れたオリコンチャート。
ミュージックマシーン
音楽系情報サイト最大手。邦楽の情勢をつかむには欠かせない。
うたまっぷ
歌詞掲載サイト。無料で検索できます。レビューで興味持ったら是非調べてみて。
歌ネット
歌詞掲載サイト。こちらも無料ですが登録制。レビューで興味持ったら是非調べてみて。
J-POP CRAZY
90年代から現在までのポップスアルバムのレビューが質・量共にすばらしいです。必見。
今日の歌謡曲+α
最近の曲から懐メロまで、年代の幅広い曲層を日々紹介してらっしゃいます。
htpr
J-POP試聴情報を集めているブログ。管理人はもしや、あの人…?
覆面Z@ORICONチャートをゆく
毎週のセールスランキング予測と結果の考察、その他音楽コラム多数。最新ヒットチャート動向を知るならここです。


まだまだある!お勧めブックマークはこちら
その他のお勧め音楽レビューサイト・音楽以外のお気に入りサイト紹介を、別ページにてどっさりと。


SPITZ OFFICIAL WEB SITE
スピッツ公式サイト。有料の会員専用ページがあったり、充実してます。試聴有。
THE BOOM MUSIC GALLERY
THE BOOM公式サイト。日本語入れて五ヶ国語での記事を展開。世界に広がってます。試聴有。
www.grapevineonline.jp
グレイプバイン公式サイト。事務所の方より内容良し。試聴ない代わりにメッセージやレビューなど文章多め。
ACIDMAN
ACIDMAN公式サイト。曲世界を反映させたデザイン構成。曲試聴はPVでどうぞ。
archives

音楽系サイトブックマーク新着。

Blogpeopleのリンクに登録      

     


トップページへ戻る
ログログシール
ログログシールです。
ミクシィにおける「足あと」みたいなものです。

powered by news handler and seven ten design