J-POPヒットチャート歌詞分析ブログ

現代ポップス考。(移転しました)

SMAP「Triangle」
      

Triangle

ビクターエンタテインメント
SMAP, 市川喜康, 小西貴雄, 篠崎隆一, h-wonder

このアイテムの詳細を見る


<いびつな三角形によって示されるのは、すべての人の間にある相互関係の存在>

 巨匠達に囲まれて誕生したしっとりシングル前作「友だちへ 〜Say What You Will〜」が今ひとつパッとせず、その後に昔の陽気な路線に戻すというかむしろ振り切れ気味だった「BANG!BANG!バカンス!」を経て、SMAPは再び「世界にひとつだけの花」のメッセージソング路線に戻ってきました。先に発表してあって、それが後にシングル化という流れも「世界に〜」と共通するもので、これはもう売り手側の意図が明確に出ているととってしまってもいいんでしょうかね。

 花屋の光景から観念的な世界を語っていた「世界に〜」とはやや方向性が違って、この曲は、『どんなに目を凝らせど 見えないものばかりだ』と言い、その「見えないもの」だらけの世界を想像することから始まりつつ、常に現実の出来事をイメージさせるように語られていきます。それも、特定の話題に偏らないよう、かなり気を使って書かれているように感じます。「戦争」を思わせるフレーズが各所に入っていますが、それは過去の太平洋戦争も、現在のイラク戦争や日本とアジア諸国との軋轢うんぬんを語っているようでいて、そうと断言できないようになっています。「焦点がぼかされている」と感じる人もいるでしょうが、まあ、仕方ないかなと。この歌の伝えたい点はそういった個々の出来事でないはずですし、それならば政治・思想に踏み込むのは、聴き手を選ぶことになってしまいますから。

 この曲でも用いられてますが、この種の曲は何かと「地球」を持ち出します。で、たいていはそのまま「円」のイメージで歌を作るものだと思うんですよね。でもこの曲はあえて「三角形」をモチーフとして提示することで、やはりそこには意図や、他の「円」の曲にはない効果があると思うわけで、その辺りを考えながら書いてみます。

 『僕の手が キミの目が 僕らの声が』と呼びかけるように、この「わたし」「あなた」「みんな」の3点が「Triangle」の各頂点である、と考えてよいのでしょう。ここでは、「みんな」が「僕ら」と表現されるように、「僕とキミ以外」ではなく「すべての人」を指しているわけです。
 なので、厳密に言えば、この三角形は形而上でしか成り立たないものであるわけです。が、だからこそ『それぞれ異なっているように/自由でこそ 命だから』であり『それぞれ重さの同じ/尊ぶべき 命だから』である、と歌うように、「みんなそれぞれ違っていて、でも同じ命なんだ」という着地点を、スムーズに導けるのかもしれません。…わかりにくいかな。

 上に述べた、メッセージ性を強めすぎないよう、という配慮にもこのいびつな「三角形」は、効果を発揮していると思います。
 「わたし」から「あなた」へ、あるいは「わたし」から「わたし以外のみんな」へという形でメッセージを伝えようとすると、直接向かい合う、直線的な伝達になります。しかしこの曲は、「わたし」が「みんな」のことについて「あなた」に語ってたり、あるいは「あなた」のことを「みんな」に教えようとしたりしているため、三角形を利用した間接的なメッセージ伝達になっています。そして、「わたし」は「みんな」に含まれているので、矛先を逸らしている、ということにもなりません。

 『精悍な顔つきで 構えた銃は/他でもなく 僕らの心に/突きつけられてる//そう、/おびえるキミの手で』と締められますが、「キミ」が突きつけた銃は「キミ」自身にもまた跳ね返ってきます。「僕」も、またすべての人が、互いに互いを、そして自分自身を、常に問いただそうとしているわけです。精悍な顔つきで、だけど同時に、おびえながら。
 作り手の意図は、聴き手にまずそんな意識を持ってもらうこと、気付かせることなのかな、と感じました。


※まとまりがない上わかりにくいので、ちょっと後で書き直すかもしれません。ご了承くださいと同時に、疑問点等のご指摘もお待ちしております。

SMAP

コメント(4)| Track back(0) | 2006年01月16日

■ お久しぶりです。
軽いポップソングなSMAPが一番いいですね。
年齢的に30歳超えてきたしこういう歌は必要だと思うんですけど、世界に〜を超えることは出来ないのだから開き直っていただきたい。
ですけど、これはこれでいい詩だと思います。でも大ヒットというに少し地味で、言葉が難しいかなって。
硬水 (2006-01-16 07:40:52)

■ Re:硬水さん
お久しぶりです…ってほど期間空いてましたっけ?やー時間があっという間だ。

そういえば、SMAPそのものの方向性には触れてませんでしたね。曲で力尽きてました。確かにこの曲のような路線も、年齢を考えると今後はじゅうぶんアリだとは思うんですが、やっぱり昔のようなポップソングもまだまだ聴きたいですね。
はじ(管理人) (2006-01-17 00:38:20)

■ NO TITLE
なんか言葉がうざったい気がしました。銃とか紅白のトリでもってくるには重たすぎだろ…みたいな。あとみんな気付いて見ぬふりなんですけどちゃんと歌えてなさすぎだと思う
れすぽーる (2006-01-22 03:42:40)

■ Re:れすぽーるさん
音楽としての良さよりもメッセージのほうが前に来てしまっている…というのはありますよね。それでもこの重みが強すぎないように工夫している…という点は押さえておきたいな、ということで上のレビューになってます。

あとSMAPがいきなり歌うまくなったら、それはそれでとっつきにくそうです。
歌が上手だとたいていのことは伝わりやすくなりますが、つたないからこそ響いてくる、そんなこともあると思います。「世界にひとつだけの花」があれだけヒットしたのとかも、あんまりうますぎないから、等身大っぽい声だったからというのもあるんじゃないかな、とも思ったりしますし。
はじ(管理人) (2006-01-22 16:39:57)

名前 :
タイトル :
URL :
コメント :
<< メルマガ、Vol.031発行。
                 

にほんブログ村 音楽ブログへ      
・最近の邦楽を毎日片っ端から取り上げてコメントしています。単純に好き嫌いだけでなく、歌詞中心に、ポップス全体の傾向やひいては社会の流れとかまで、一曲一曲の中からすくいとっていけたらなあと。
 リンクフリー。どの記事にでも、直リンOKです。

はじめていらした方は、こちらをどうぞ。

2006年・年間シングルチャート一覧
1〜50位まではこちら
51〜100位まではこちら
1月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
     

     
category
近況やお知らせ。
J-POPレビュー男性(あ行)
J-POPレビュー男性(か行)
J-POPレビュー男性(さ行)
J-POPレビュー男性(た行)
J-POPレビュー男性(な行)
J-POPレビュー男性(は行)
J-POPレビュー男性(ま行)
J-POPレビュー男性(や・ら・わ行)
J-POPレビュー女性(あ行)
J-POPレビュー女性(か行)
J-POPレビュー女性(さ行)
J-POPレビュー女性(た行)
J-POPレビュー女性(な行)
J-POPレビュー女性(は行)
J-POPレビュー女性(ま行)
J-POPレビュー女性(や・ら・わ行)
J-POPレビュー番外(男女混合、企画モノなど)
J-POPレビューアルバム編。
J-POPその他。(ニュース、雑感など)
お気に入り曲紹介。
お気に入り曲紹介「夏の名曲選」(23+寄稿3曲)
メールマガジン。
漫画のこと。(雑誌)※更新停止
漫画のこと。(単行本)※更新停止
過去の日記(04/06/18〜05/04/07)
過去ログ発掘。
このブログについて。
メールマガジン発行しています。
詳しい内容説明は、こちらで。
メールマガジン
『現代ポップス雑考。』
めろんぱん ↓E-mailを入力


↓現在の注目CD&本。(2/4更新)


柴田淳
HIROMI

淡々とダークな作風は、
2007年も健在の模様。
今回も、決して取り乱すことなく
ドロドロの本音を聴かせてくれます。


salyu
TERMINAL

作詞に一青窈 が加わったことで、
透明な世界に徹した1stよりも
輪郭が濃くなった印象の2nd。
「to U」のソロ版も入っているけど、
あんまり必要なかったかも…?


bonobos
Standing There〜いま、そこに行くよ〜

今年の自分を振り返ると、
この手のゆったり感のある
心地よいリズムがツボでした。
PV丸ごと試聴もあります。
なかなか感動的で後を引く。


メレンゲ
underworld

前々から薦められていたバンド、
PVフル試聴あったので聴いてみました。
雰囲気、かなーり好きな感じ。
映画タイアップの関係もあってか、
田中麗奈使いすぎな感じだけど、
それだけ押したいのもわかるかも。


あずまきよひこ
よつばと!6巻

読んでいるとほっとする上に
文句なしに笑えるという稀有な漫画。

bookmark
ことばのすきま。
このブログの本拠地、管理人のホームページ。スピッツ全曲紹介更新中。
落書きだらけの夢
どこよりもマニアックなスピッツ全曲解説と+αの、管理人の別サイト。
独りごと以上エッセイ未満。
日記用ブログ。こことは文体変えてます。ちょっとマジメ、ちょっとカッコつけ気味。


ORICON STYLE
言わずと知れたオリコンチャート。
ミュージックマシーン
音楽系情報サイト最大手。邦楽の情勢をつかむには欠かせない。
うたまっぷ
歌詞掲載サイト。無料で検索できます。レビューで興味持ったら是非調べてみて。
歌ネット
歌詞掲載サイト。こちらも無料ですが登録制。レビューで興味持ったら是非調べてみて。
J-POP CRAZY
90年代から現在までのポップスアルバムのレビューが質・量共にすばらしいです。必見。
今日の歌謡曲+α
最近の曲から懐メロまで、年代の幅広い曲層を日々紹介してらっしゃいます。
htpr
J-POP試聴情報を集めているブログ。管理人はもしや、あの人…?
覆面Z@ORICONチャートをゆく
毎週のセールスランキング予測と結果の考察、その他音楽コラム多数。最新ヒットチャート動向を知るならここです。


まだまだある!お勧めブックマークはこちら
その他のお勧め音楽レビューサイト・音楽以外のお気に入りサイト紹介を、別ページにてどっさりと。


SPITZ OFFICIAL WEB SITE
スピッツ公式サイト。有料の会員専用ページがあったり、充実してます。試聴有。
THE BOOM MUSIC GALLERY
THE BOOM公式サイト。日本語入れて五ヶ国語での記事を展開。世界に広がってます。試聴有。
www.grapevineonline.jp
グレイプバイン公式サイト。事務所の方より内容良し。試聴ない代わりにメッセージやレビューなど文章多め。
ACIDMAN
ACIDMAN公式サイト。曲世界を反映させたデザイン構成。曲試聴はPVでどうぞ。
archives

音楽系サイトブックマーク新着。

Blogpeopleのリンクに登録      

     


トップページへ戻る
ログログシール
ログログシールです。
ミクシィにおける「足あと」みたいなものです。

powered by news handler and seven ten design