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現代ポップス考。(移転しました)

コブクロ「君という名の翼」
      

君という名の翼

ワーナーミュージック・ジャパン
コブクロ, 小渕健太郎

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<コブクロの楽曲は、なぜドラマティックに響くのか>

 ベスト盤も好調、楽曲をモチーフとするドラマも作成されたりと、すっかり不動の人気を得たコブクロ。夏にリリースされた新曲は、軽やかなテンポで奏でられる爽やかな雰囲気に満ちています。

 コブクロの楽曲の大きな特徴は、「長いフレージング」だったりします。標準的なメロディラインよりも気持ち長めだったり、盛り上がりのピークがなかなか下がらなかったりしているんですね。結果、聴き手はより耳を引き付けられる時間が長くなり、より強い印象を受けるようになる。つまり、「ドラマティックに聴こえる」ようになるのですね。
 この件に関しては、「ここにしか咲かない花」の時もメルマガで触れました。また「永遠にともに」「桜」についても、形は多少違えどもこの「ドラマティックさ」をことさらに強調するような手法がとられているのがわかります。数あるシンガーの中でここまでコブクロが躍進したのは、ここに起因する部分もあるんだろうなあと考えています。

 今回の曲で言うと、ほとんど伸ばしなしで続くメロもそうですが、サビが二段階に分かれているところが大きいですね。
 『あきれる程 真っ直ぐに』で始まる、上から降りてくる形のキャッチーなサビ冒頭フレーズがまず8小節間ある。それがもう一度繰り返されて終わるのかと思いきや、途中で『胸いっぱいにかき集めて』から新しいメロディが出てきて、そこから最後の『君という名の翼で』まで、もう一度別の山に突入していくのですね。オーソドックスな形式なら8小節のフレーズ×2パターンで終わるところが、2パターン目の後半からはその後のもうひとつの山に続く助走部分になっているという。
 「ここにしか咲かない花」でも何度も山がやってきましたが、今回はフレーズごとの間も取らず矢継ぎ早に次のフレーズを繰り出してくる形になっています。ピーク維持の度合いは「ここにしか〜」のほうが上ですが、今回はテンポが速いので、この方式のほうが効果的かもしれません。

 さて詞の内容ですが、『間違いだらけの あの日々に 落とした涙と答えを』などから察するに、不器用な恋の思い出、今なら大切とわかる「君」へ想いを投げかける過去振り返り型ソングです。つまり、非常にベタなテーマです。とはいえ、風景描写を絡めてみたり表現を工夫してみたり、ありがちと感じさせないようにあれこれ骨を折っている感じ。

 最後に『もう一度 あの空 あの風の向こう側へ/君という名の翼で』とあるので、きっと止まった二人の時間をやり直したいんだろうなと。
 でもこれ「もう一度」がなかったら、「君」との思い出を胸に抱いて新しい道を歩き出す(=君のことは諦める)とも読めてしまうから、ちょっとわかりにくいかもしれないですね。そもそもタイトルにもなっている「君という名の翼」からして、内容読むまでは二人で飛んでいくラブラブな歌だとばかり思っていましたし…
 メロディ的にもちょっと合わせ方が気になりますし、このあたりはぱっと聴きのカッコよさを優先して作ったのかなあという気がします。

コブクロ

コメント(0)| Track back(0) | 2006年10月22日

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