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現代ポップス考。(移転しました)

スガシカオ「真夏の夜のユメ」
      

真夏の夜のユメ

BMG JAPAN
スガシカオ、亀田誠治

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<客観的に自覚を持ち、あれこれと問いかけながらも、どこかで諦めとやるせなさを孕んでいる思考>

 KAT-TUN「Real Face」の作詞を担当、そして今作は映画「DEATH NOTE」の挿入歌ということで、非常に話題性はじゅうぶん過ぎるほどあったものの、今ひとつセールス的にはパッとした印象がなかったような。
 まあ、この前の「19才」と比べても多少インパクトは薄いかもですが、彼らしい繊細なバラードになっているんじゃないかなと。

 原作には出てこないオリジナルキャラ・詩織のテーマとして作られた曲だという触れ込みでしたが、一人称は「ぼく」で、男性視点です。
 『僕は孤独でウソつき』『まるで吸血鬼みたいに 君のやさしさを/吸い尽くしてしまう気がするんだ』と自分の弱さ悪さを自覚しながらも、なかなか変われないままでいる。『君がやさしく笑った/遠い世界の出来事みたいに』と、優しくしてくれる「君」に対しても、どこか隔たりのあるような感覚を抱いてしまっているのですね。
 この、何か大事なことに気がついている、自覚していつつも明確な行動を描かないのがスガシカオの特徴のひとつなんだなと。スガシカオ曲ではもっとも人口に膾炙している「夜空ノムコウ」でも、やっぱり変わらないまま流されてしまうことでの悲哀みたいなものがありましたし。

 そう考えると、『いつか なおらない傷跡も/ぼくら許せるのかな』というようなフレーズでは、「〜かな」という問いかけが、非常にネガティブな意味合いを持って響いてきます。きっと許しあえる、ではなく、許せる日なんて来ないんじゃないかな?みたいな感じ。変われない、変わる時を想定できない、諦めを含んだ自問に聴こえてくるんですよね。
 スガシカオの歌を「どこか覚めたところがある」というように感じる人は、この「なんだかんだで変わろうとしていない」スタンスからそういう印象を受けているんじゃないかなと思ったり。

スガシカオ

コメント(0)| Track back(0) | 2006年09月15日

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