何気ない風景の素晴らしさを自分に教えてくれた、超まったりSF漫画。今回は、連載開始から10周年を迎えた第120話までを収録しています。
しかし、いつもそうではあるものの、この10年目の単行本はいつにも増してまったりとしている感じの内容で、この作品にピンと来ない人はほんと5分でパラパラ1冊めくって「?」で終わっちゃうんじゃないかと。でも、そこが実にいいんだよなー。
それに今巻のまったり具合は、ちゃんと意図があるように感じます。なぜかというと、これまでゆったりと、しかし確実に積み上げられてきた作品内の時間の流れを、読んでいて感じさせられるエピソードが多いんですね。初めに登場したころからずっと成長したマッキ(↑表紙の左側の女の子)との話、今まで会った人の話、前巻でいなくなったタカヒロの話、過去を思い返す話、などなど。
主人公のロボット、アルファさん(↑表紙の右側)は初めのころは「人間よりも人間らしい感性を持っている」ことがクローズアップされがちでした。それが最近では、「成長し老いることのない時間の観察者」としての役割を与えられることが多くなってきています。そのせいもあって、変わらないようでも変わっていってしまう世界に一人取り残される哀しみが、あちこちに漂ってきていて、ドキッとさせられたり。
詩情ある描写、柔らかな世界観、そうしたものの中に確実に「時間」の重さがのしかかってきて、より味わい深い作品になってきているように感じます。
芦名野ひとし
ヨコハマ買い出し紀行
コメント(0)| Track back(0) | 2004年11月30日
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