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現代ポップス考。(移転しました)

東京スカパラダイスオーケストラ「追憶のライラック」
      

追憶のライラック

エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
東京スカパラダイスオーケストラ, ハナレグミ, 谷中敦

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<気だるい雰囲気の音と声がいざなう、追憶の物語>

 基本はインスト路線ながら、以前にも田島貴男やチバユウスケ、奥田民生らをゲストボーカルに迎え「三部作」として曲をリリースしたこともある東京スカパラダイスオーケストラ。ちなみにいちばん好きだったのは田島貴男「めくれたオレンジ」でした。
 今回もまた三部作になるようで、その第一弾がこの「追憶のライラック」。緩いムードの中に心地よく漂う声は、ハナレグミの永積タカシ。この人の声はなんというか、伸縮性があるというか…味があるのに粘っこすぎず、すごくいいですよね。
 陽気なイメージの強いのがスカという音楽ですが、落ち着きやアダルトな魅力をもばっちりアピールできるのがスカパラの大きな魅力で。その方向を詰め込んであるこの曲の気だるさに、永積タカシの柔らかい声が溶け込んでいて、じっくりと聴ける作品になっています。気がついたらリピートしちゃう。

 さて、その性質上、演奏面がクローズアップされがちな彼らですが、毎回、詞もなかなかいい感じだなと思っています。言葉の選び方にセンスを感じるんですよね、タイトルをとってみても「美しく燃える森」とかすげえなーって思っちゃいますし。やっぱり「音」を中心に据えていて、詞の言葉を「音」へのスパイスとして使おうとする以上は、聴き手にイメージを喚起させられる言葉は何か?ということを考えているのかもしれません。
 今回はイメージ性よりも「失った恋」という物語性が大きく出ていますが、『鍵をかけてしまいこんでた思い出』とか『言い出してやめた言葉のかけらを/集めて繋げる物語』などなど、詩的かつクサさもない良フレーズが並んでます。世界に浸れる、という点では、イメージ喚起の詞とも同じ魅力があるなあと。

 気になるのは『「寂しいときだけそばにいてくれ」と/わがままな僕を抱き締めて/優しく笑った君を思い出し/涙を流していた』というサビ部分。これ、確かに相当わがままです。また、ひたすら過去に浸っているのを『終わらない未来』と表現するのなんかも、ブログの方向性的に「現代はこのようにナイーヴで弱い男性像が描かれる傾向にあり…」とか一席ぶちたくなる要素が満載です。
 が、スカパラの場合もともとの音楽性や、あんまり同時代性を感じないということもあり、そういうことは言えないかなーと考えてます。あくまでもこの曲単体での世界観を作り上げるための設定である感じですし。

 間奏のトロンボーンソロが気だるくて、でも退廃さは感じられなくて、いい具合です。トランペットだと出せない味ですよね、これ。願わくばあと倍くらい長さがあったらよかったのに。

東京スカパラダイスオーケストラ

コメント(0)| Track back(0) | 2006年02月13日

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