デビュー15周年を迎え、リリースされたアルバムは、ぐっと渋く落ち着いた一枚。前作「LOVIBE」もまたゆったりとした懐の広さが漂う名盤だったわけですが、あちらはボサノヴァ、ラテンの匂いがしていたのに比べ、今回はぐっと和風な色合いを強めています。といっても、昨今の邦楽の日本ブームとは一線を画した、独特の流れで。
こう言うとファンのひいき目みたいですが、実際違うんですよ。
まずBOOMは14年前1990年に、「JAPANESKA」という日本の色合いの強いアルバムをすでに作っているということ。このときそのまま沖縄音楽に傾倒し、その後「島唄」を発表する、という経緯があるわけで。
そして、今回また日本色が強いのは、去年あたりずっと全国を回り、野外ステージだの公民館だのといった、かなり小さな会場などで、地域に密着したコンサートツアーを行ってきて、その行脚の過程で生まれた曲ばかりだということ。だから曲目も「朱鷺-トキ-」だの「白いハマナス」だのと、特定の土地を想起させるものがあったりします。
さらに、一口に「和風」と言っても、かなり作りが違います。今の和風テイストを取り入れた曲というのはたいていが、いわゆる「ドレミソラド」の「陽音階」を使っています。ピアノの黒鍵だけを鳴らすとこの雰囲気がでたりしますので、鍵盤ある人は試しにやってみるのも一興かと。でも、宮沢和史の作曲の場合、この「陽音階」に縛られてないんですね。むしろ、「ドミファソシド」の沖縄音階に近い色合いがあります。なんかのインタビューで「自然にそうなってしまうことが多い」みたいなことを言っていたような。
さて長々と述べましたが、正直なところ、緩やかな曲が多すぎて刺激が少なく、聴いているとちょっと退屈してしまいます。はい。ゆったりした曲は好きなんですけど、「和風」な味のものばかりがたくさん並んでいると、どうしても。なので、「24時間の旅」「天国に落ちる坂道」「Any Time,Any Day」あたりのテンポのいいものが魅力的に感じました。
また、最後の「歌」が、なんといってもすばらしい。こういうシンプルでかつ宿命的な曲を作るから、ブームは自分の中で特別な位置を占めているんでしょう。
THE BOOM
コメント(0)| Track back(0) | 2004年07月01日
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