 | Sweet Mom
ユニバーサルJ 柴咲コウ, 市川淳, 弦一徹, 華原大輔, REO, 井筒日美, Jin Nakamura
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<底のない愛情「母性」を描き出しつつ、ツカミも忘れちゃいない>
この柴咲コウという人は毎回自ら作詞しているようなんですけれど、なんというか、自分のやるべき役割を把握してしかもそれを表現できる人だなあと、今作を聴いていると特に思ってしまいます。
前作「Glitter」ではどこか病んでいる一面を見せましたが、今回は「Sweet Mom」とのタイトル通り、母性を感じさせる内容になっています。両者は一見そぐわなさそうな方向ですが、どちらも期待されているのは「深み」ですね。単純ではない、底の知れない感情…理解や常識から外れた位置にある、逸脱した思考/無条件の愛情。そういう部分で見ると、対極ではあるものの、相似形を成していると言えるのではないでしょうか。
で、聴き手が彼女に望んでいるものは、そうしたミステリアスさであったり、深く受け入れてくれそうなキャパシティであったり、トリップさせてもらいたい「深さ」なのではないかなと。
それにしても、ダブルミーニングとは行かずとも、「母性」を描く一方できちんとJ-POPとしての配慮もしているんですよね。この辺、副業の一部としてだけ作詞をやらせておくにはもったいないんじゃないかって思うくらい。
わかりやすい例はサビ『笑い合うそのとき 描きながら〜』というのは文脈的にはきっとは赤ん坊とのことを指しているんですが、そこだけ切り取って提示すれば、普通のラブソングのようにも思えるわけです。『あなたがいない昨日に/もう未練はないのよ』とかも、キラーフレーズとして通用しますよね。さすがに『突き出した愛の丘』は膨らんだお腹のことでしょうけれど、その後の『ソファに腰沈めて/また丘を撫でましょう』なんて言い回しは、どこかエロティックさを漂わせていますし。テクニカルです。
方法論に基づいて詞を作っている感じで、非常に安定感がありますね。一貫性がありつつ、聴きをつかむための配慮もありで、よくできてるなーと感心してしまいました。
曲は「月のしずく」っぽくてそれだけで少々退屈に聴こえてしまうところですが、けっこういろいろ細かく遊んであって、その辺きちんと聴くと面白いかも。
柴咲コウ
コメント(0)| Track back(0) | 2005年12月23日
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