<衝動的・刹那的な激情と、その背後に潜む不穏さ・危うさ>
前々からその評価は高かったバンドでしたが、この曲で一気にその名をとどろかせることになりました。前作「Space Sonic」がツボに入ったのでブログでも取り上げたのですが、その後アクセス状況を調べているとこの曲への関心度はかなり高いように感じていましたし、来るべくして来たかなという印象です。
このバンドの通例どおり、全・英詞。とりあえずそこまで難しい構文や単語、崩し表現はないので、ネットで調べつつ自分の持っている全ての英語力を注ぎ込んで、なんとかかんとかやりましたという感じ。かなり意訳もしているので、和訳をそのまま信用せずちゃんと元の英文を読むことをオススメします。あくまでも参考程度でどうぞ。
まずこの曲、真夏の8月にリリースされたものですが、歌詞を見ると『Now I hear it snows/This year is getting colder』《雪が降り出したんだってね、今年もこれから寒くなるな》という記述があります。そう考えると、ちょうどこのレビューを描いている11月くらいに出したほうが季節として合ってような気も。
ただ、真夏にリリースされたことには明確な意図があるのではないか、とも考えられるのです。
タイトルの「Salamander」ですが、これは火の精・火トカゲ・イモリ・サンショウウオといったものを表します(goo辞書より)。そして、おそらくは「火」を象徴するところからタイトルに冠せられているのでしょう。そして火の精なのか火トカゲなのかまでは、追求することにはあんまり意味はないように感じます。
『There ain't no fear/There ain't no hope/There ain't no right/There ain't no wrong』《恐怖も希望も、正解も誤りもない》と、ひたすら「ない」ことを列挙していき、さらには『Just make it loud…/I feel no touch』《もっと音量を上げろ なんにも感じねえぞ》と煽ってくる、メロ部分の歌詞。バックは基本的にかなりの音圧なのにもかかわらず、一文ごとにひたすら同じメロディーを繰り返しているのですが、ここには反復が進むごとにだんだんと緊張感が高まり、爆発を待っているかのような押し殺された高揚を感じます。そしてそれが、一気にハイトーンになるサビ部分で爆発します。
『Just let it slide/Wasting time』《時間の無駄だから、放っておけ》という叫び、そしてただ進み続けろ、転がり続けろという呼びかけ。最後にもう一度『And just let it slide』と繰り返すくらい、強い主張です。ちなみに「just let it slide」は《成行きにまかす》という意もあり、かなり衝動的な感情が込められていると考えられます。
メロ部分とサビ部分を組み合わせるならば、「何もかもを投げ出して、ひたすら疾走しろ!」というメッセージになるわけでしょうか。まさに今奏でている猛烈な音楽のための言葉、という感じです。
その流れで、爆発的・衝動的な方向性の象徴として「火」=「Salamander」が冠せられ、夏にリリースされることになったんじゃないかなと思ったわけです。
また、後半に出てくる部分、雪が降っているらしい、寒くなると語るその後には、『How I feel inside/Losing my concentration』《どう感じているのか、はっきりしない》と漏らしています。ちらっと垣間見える不安定さ…それは、衝動的な曲調と入り混じり、どこか不穏な背景を想像させては来ないでしょうか。
『Now I need more time』《もう少し猶予をくれ》といった懇願や、あるいは『Just make it fun』《楽しめ》における「Just make」の強制的/強引さのある調子…そもそも、彼らの作風からしても。「何か絶望的/悲劇的な状況があって、そこから逃れるために、振り切るために、遮二無二駆けている」そんな設定があるのではないかなと。
ELLEGARDEN
コメント(3)| Track back(0) | 2006年11月19日
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