<洋邦ふたつのアプローチ、それぞれにカラフルな10曲>
the holiday、待望の1stアルバムです。
これ、サイドバーでも載せていましたが、高校時代の親友・先輩・後輩という3人が絡んでいるインディーズバンドでして。
このうち親友・先輩の2名は、以前にも「you gotta find flowers」という名曲を生み出していたりします。そっちのレビューはこちらで書いています。
CDが完成したその日にわざわざ届けてくれて、それで自分が購入第1号だったりして。こりゃーレビューしなきゃあ、と。
幸いというかなんというか、自分たちでサイトまで作っててそちらで試聴することができるので、話が内輪になり過ぎないで済みますし。
てなわけで、聴きながら読んでいただければと。
01.DROP&ROLL
02.HELLO HONEY
03.Carnivalize Me!
04.風にのせたラブレター
05.Super Hero
06.LOVE POTION
07.Dreamer Away
08.the United Imagination
09.京通り
10.Good Night
まずは全体を通しての解説+感想から。
一聴してすぐに感じるのは、「洋楽的なアプローチ」の曲と「邦楽的なアプローチ」の曲の2種類があるということ。自分がその辺に敏感だということもありますが、明らかに違うタイプの曲が混ざっているんですね。で、クレジットを見ると、やっぱりというかなんというか、作曲者が別々だったりして。
全体の3/4くらいを占める「洋楽的なアプローチ」曲は、ボーカル&ピアノ担当のTAKEDA RYOのもので、これはけっこう珍しいタイプだと思います。洋楽といっても基本的にシンプルで、ここ最近のではなく、ビートルズとかその辺りの雰囲気がします。っても洋楽詳しくないんでアレですが…
対して、04、09と、作詞のみ07を担当しているKAKUDA KAZUYUKI側は、良くも悪くも日本の若手バンドらしい楽曲タイプで。かなりポップ寄りの詞・曲に仕上がっていて、非常にフレッシュです。描写を多用していて映像が浮かびやすいですね。好きです、そういうの。
英詞・洋楽と日本語詞・邦楽タイプにくっきり分かれていて、はじめはけっこう戸惑ったんですが、でもどちらかのタイプ一辺倒だったら、ちょっと印象には欠けたよなあと。どちらの方向性も持っているというのは、幅の広さでとても有利です。特にインディーズ業界は、ひとつの持ち味しか持っていないバンドも多いですし。
しかもこのthe holidayというバンドは、このアルバム内でメンバー全員が歌っている、という離れ業をやってまして。そうやって、カラフルにさまざまなアプローチを出せるというのは長所かなと。
ただ、まだそれぞれで乖離してしまっているように感じていたりも…今後はもっとすり寄っていけたほうがいいかなと思います。もちろん「幅を狭めろ」と言ってるんじゃないですが、バンドの統一カラーみたいなのは、ある程度はっきりさせられるといいんじゃないかなと思います。
そのためには、今回の曲中では「Dreamer Away」みたいに、作詞と作曲を別々で担当した楽曲を作っていくとよいのではないかなと。
では、ここから内容ダイジェスト。
どっしりとしたヘビーな音を作ろうとしていて、どこか憂いや鬱屈を含んだ響きのある「DROP&ROLL」で、アルバムは幕を開けます。そして、バンドサウンドはそのままに、ぐっとポップに傾いた「HELLO HONEY」へと続きまして。全編英語なのに、サビがとてもキャッチーで、すぐに口ずさめますね。
続く「Carnivalize Me!」は、一転、『サンバ』だの『ワッショイワッショイ』だのと聴こえてきて、思わず脱力してしまうお祭りソング。コーラスの気の抜け具合が笑えます。「HELLO HONEY」では爽快だったのに…。
「風に乗せたラブレター」は、ぐっとギターポップなミディアムテンポ。すごく真っ当な、ちょっと気恥ずかしくなるくらい、直球ラブソングになっている一曲です。こう、有名になったバンドが「無名時代の人気曲」としてライブだけでやってそうな感じ。
で、前半のハイライト「Super Hero」。個人的には一番好きです。バラード好きだからっていうのもありますが、ピアノ基調アレンジといい、曲展開といい、テーマといい、揺さぶられるものがあります。
『Super hero I just don't know how I can see you』。ここで言う「Super Hero」は、明らかに、今は亡きあの人ですね…
後半戦。古き良き洋楽を感じさせる「LOVE POTION」は、演奏面でのまとまりがアルバム中一番かなと。で、『薄暮時』『夢見草』という言い回し、そしてサビの締めかたがなかなか粋な「Dreamer Away」が続きます。ほんの4文ほどの短いメッセージをひたすら、途中で快速な4拍子からどっしりした3拍子へと変化しつつも叫び続ける「the United Imagination」。
スイングのリズムに乗って『子供のころのように/ただ前に進んでみるのもいいんじゃないの?』とリラックスしたメッセージを投げる「京通り」は「みやこどおり」と読みます。演奏はちょっと前のめり気味かなー。勢いあって面白くはあるけれど。
最後は、ピアノの小品「Good Night」で締め。
と、本当にバラエティに富んだラインナップです。やや無節操気味ですが、各自で歌ったりするなどしているところを見ると、そこをウリにしたいんだろうなあと。実際ちゃんとそれぞれ作りこまれていて、インディーズバンドにしてはかなり表現の幅が広いのではないかと思います。いやマジで。
ピアノがいいですね、特に。ちょっと濡れた響きで。メインで響いている「Super Hero」や「Dreamer Away」はもちろんのこと、そのほかの曲のほとんどにも味付けで加えられているのですが、それが絶妙な絡み方で。他の楽器(ボーカル含む)も、このピアノのようにもう少し演奏に力加減をミックスできると、全体がぐっとよくなると思いますね。
楽曲構築能力はあると思うんで、あとは、実演奏の場でどれだけこの曲たちを生かせるか、が課題なのではないでしょうか。全体的にボーカルが弱い感じですし、演奏も、合わせ方がちょっと消極的になってて、ややもったりしている曲が散見されますので。せっかく曲がいいのにその辺が気になっちゃうと、聴き手としてはむしろ、マイナスへの傾き方が強くなってしまうと思うのです。
声の太さ、あるいはバンドの呼吸を、ライブ経験を積むなりなんなりして、磨いていってもらいたいなあと。まだまだ発展途上だということは本人たちも理解しているかと思うので、よりスキルアップに励んでもらいたいものです。
とりあえず以上!
曲ごとについて詳しく書くと長くなるので、そちらはまたメルマガの方ででも。
なんだかいろいろ精力的に活動していて、ライブやるとかシングル作るとかいろいろと話は聞いてます。最近はネット販売まで始めていて、とにかく真剣です。
頑張ってほしいものです。応援してます!
the holiday
コメント(0)| Track back(0) | 2005年07月26日
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