J-POPヒットチャート歌詞分析ブログ

現代ポップス考。(移転しました)

森山直太朗「風花」
      

風花
ユニバーサルJ
森山直太朗, 御徒町凧, 渡辺善太郎

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<大きな世界の中で翻弄される二人、儚く美しい情景と「君」>

 森山直太朗も、大ヒットの後ちょっと肩に力が入っていたのかなんなのか、迷走気味なところがありましたが、前作「小さな恋の夕間暮れ」から、だいぶまた地に足がついてきたという気がします。
 その辺の考察は、詳しいことは前作の解説をご参考いただくとして、簡単に言ってしまえば「等身大サイズの歌詞世界」に戻ってきた、ということですね。

 大自然、大いなる世界の中で翻弄されるちっぽけな自分たち…そんな世界観を持った曲が彼には多いように感じます。一時期はそこに飲み込まれてしまっていたのかな、という。
 身近なサイズのフォークっぽい歌でも、常に世界の存在が意識されている、といった趣があります(今回のカップリングの「伝説」とか)
 そんな世界の広さを表すような、情景描写とファルセットの多用による曲の広がりが耳に残る一方で、今回の中心にあるのは「君」と「僕」の関係です。そこがブレなくなってきたなあと。

 エデンの林檎を引用したりしながら、『帰れない世界の外で 小さく君を抱いた』とあるように、二人は安定した場所を離れ、頼りない状況へと足を踏み出しています。二人を取り巻く状況も、また「君」も、儚げな印象を与える言葉で描かれます。それが、『震える長い睫毛 ルルリラ/風花が濡らす』と、「風花」に重ねられ、美しくも儚いイメージに昇華されているわけです。
(風花というのは、山に積もった雪が晴れた日に風に乗ってちらつくことを指した言葉です。当然すぐ溶けてしまうわけで、そりゃ儚いですよね)

 『ずっと探してた 愛し合う意味を』という言い方が意味深です。儚げな情景と君を見てその意味を見つけたのか、それとも、これからも探し続けるのか。ここの解釈は聴き手それぞれの自由でいいかなと思いますが、この「意味を求める」という一文があることで、ただキレイな世界を描きトリップしているだけではない、ということがわかります。

 まあいろいろ書いてみましたが、このところの彼の作品の中では群を抜いて自分の感性と合う曲だったんで、あんまり小難しく考えないで聴いておきたいところです。

森山直太朗

コメント(4)| Track back(0) | 2006年01月09日

■ コメントありがとうございました。
コメントありがとうございました!
本当にはじさんの文章が上手に仕上がっていたのでリンク貼りという形で使わせて頂きました。
今後も覗いてみると同時にまた参考にさせて頂くかもしれないのでその時トラバなどのさせて頂くかもしれませんのでその時は宜しくお願いします。
というか自分の紹介した曲と同じものがあれば積極的に使わせて頂きたいと思います(笑)。

ちなみに私もはじさんと同感で、直太朗の『夏の終わり』以降からはイマイチだと思っていたんですが、最近はまた良くなってきましたね。
AK (2006-01-13 01:07:54)

■ Re:AKさん
や、こちらでもトラバ返ししておきました。
トラバ、どんどんしちゃってくださいな。最近宣伝目的とか意味不明だったりするトラバとかが増えてきたんですが、こういう出会いもあるからいいですね。

直太朗、同感ですか!やっぱりですよねー。
彼はきっと「フォークソング」に傾倒しすぎるところもあって。日本のフォークの、素朴でありのままのスタイルと強烈なメッセージ、両者を取り入れようとして頑張りすぎてた…みたいにも写りました。
最近は、いい意味で力が抜けてきたなあと。

それでは、これからもよろしくです!
はじ(管理人) (2006-01-14 01:54:34)

■ はじめましてー
こんばんは☆
直太朗ファンです。確かに最近は肩の力が抜けた感じだと思います。歌詞の分析は大変参考になりました。
それにしても、すごい量ですね。でも、一曲一曲丁寧に書いてある所が好きです。
特に興味のない曲のレビューすら読んでいて楽しかったです。
あ、メルマガ登録してみました。
これからも無理なく頑張ってください!
ruki (2006-03-20 23:34:08)

■ Re:rukiさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
あんまり親しみのない曲に興味を持つきっかけになってもらえたら、本当に嬉しいです。
人それぞれ好みはもちろんありますが、ただスキキライだけじゃないところで研究・考察してみるのも、なかなか楽しいものなんですよと。
はじ(管理人) (2006-03-21 03:11:03)

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