 | ~Mermaid~
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
島谷ひとみ, 六ツ見純代, 中野雄太, 陽花
このアイテムの詳細を見る |
<荘厳な音色に包まれ語られる悲劇、ちょっと世界を作りすぎかも>
パイプオルガンの音色が鳴り響き、マイナー調の音階をこれでもかと強調したメロディライン。加えて、急に雰囲気が変わるBメロ、そして急に静かになる間奏。ゴリゴリに固めたリズム&アレンジといい、非常に西洋ゴシックな様式美を意識した曲になっていまして、もう1回聴いただけでおなかいっぱいであります。
いわゆるJ-POPってのは、暗い・悲しい曲に仕上がっていても、音楽の授業で習うような「短調」とは厳密に言うと違います。で、この曲は本来の「短調」を取り入れた作りになっているんですね(完全にそうなっているわけじゃないですが)しかも強調している。島谷ひとみとしては、前回の「Garnet Moon」など、ラテン系、ジプシー系を思わせる「和声的短音階」の方向性が強かったので、今回の西洋教会な雰囲気の「旋律的短音階」はけっこう意外なんですが、まあ何か全然今までの方向性と別、という感じはしませんね。…や、多少作りこみすぎかなとは思いますけど、今回。
とにかくアレンジが偏執的です。毎回インパクト先行、やりすぎ感はあるわけですが、それはだいたいわざと印象付けのためにやっていることであって。今回はそれにさらに上乗せして、作り手の念が感じられてきます。特に間奏とか。せっかくゴリゴリの西洋ゴシックな世界をやってるんだから、歌を引き立てることを考えなくていいここで、思う存分遊んでやれ!みたいな意気込みが、こう。往年のMALICE MIZERじゃあるまいし。
前奏もちょっと長いし…っていうか、テーマが人魚姫なのに、いきなりパイプオルガン炸裂で始まったら、何かの間違いかと思っちゃいそうですが。
詞は人魚姫伝説、ほぼそのままですが。悲恋の演出にはこれ以上ない題材ですよね。『あなたじゃないなら そっと泡のように消えるわ』とか、綺麗ですしね。うーん、しかし演出が派手すぎて、綺麗さに浸れないような。サビ最後とか、バシバシ高音で決めておいての『Blue Mermaid』のボソッとつぶやき具合とか、ちょっと怖いくらいですし。
まあ、ある意味『「あと少し綺麗なら…」/永遠に愛されてたの?』なんていう問いにもならない問いを発してしまう悲嘆ぶりを表すにはよかったのかもしれません。人魚と教会音楽の組み合わせも、改めて考えるとアレですが、内容としてはまああっているのかなあと。
でも、そうして作品としてはうまくいっていても、聴き手がこの世界観についていけないんじゃないかなーと思う次第。ポップスとして楽しむには重いっす。
島谷ひとみ
コメント(0)| Track back(0) | 2005年08月13日
|