<いいことも悪いことも一身に受け止めて「進んでいく」「育てていく」決意>
ハイペースでリリースを続けているYUKIですが、そのクオリティはまったく落ちません。ちょっと大丈夫なんだろうか、と心配になってくるほどです。
タイトルを「喜び」ではなく「歓び」とあえて表記してあるのは、単純にいいこと、楽しいこと嬉しいことを指しているのではなく、辛いこと、苦しいこともまた「人生の歓び」である、みたいな考え方をしているからなのではないか、と思うのです。
これはもう簡単に証明できることで、「JOY」、「長い夢」、「ドラマチック」と、最近のYUKIは一貫して、「何でもすべてを受け入れる」という意志を感じさせる言葉をつづっています(それぞれの曲のレビューで、毎回触れています)それがいい方向のものであれ、悪い方向のものであれ。
今回も『与えられたのなら 受け止めよう』なんてフレーズが示すとおり、その傾向は受け継がれていると言えそうです。
そして「種」というモチーフ。「花を咲かせよう」みたいな歌は今も昔も多く存在しますが、『暖かい大地で育てましょう』という、土のイメージがある歌は、そうはありません。そればかりかこの曲、「花」という語はひとことも出ていないのですね。あくまでも『実らせてみよう この歓びの種を』と、とにかく「種」にこだわるのです。
花は、美しく咲き誇るけれど、やがては枯れてしまうものです。単純に美しいもののイメージとしてあるいは枯れてしまうはかないものの象徴として、表現に使われます(最近は後者が増えている/好まれているような気がします。顕著な例)しかし、花を「実を実らせるためのもの」としてとらえている歌って、ちょっと出てこないですね。
この曲が「種」にこだわっているのは、美しさや散ってしまうもののはかなさや切なさとはまるで別種のものを志向しているんだ、ということを、端的に表しています。それは『見逃してしまう』ような、小さいもの。けれど、成長するもの。成果として結実するもの。次につながっていくもの…育てていくもの。
前回の「ドラマチック」から、再び直線軌道を目指すようになったYUKI。今回も『憧れの夢を 魔法の歌を』決して離さないまま『旅は続くんだ』と前に進んでいく方向性がしっかりと表れています。ここまでは「ドラマチック」のまとめと同じですが、今回はさらに加えて「育てていく」という観念も加わっています。それだけ、より懐が深くなった印象を受けました。
YUKI
コメント(6)| Track back(0) | 2005年11月05日
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