ピアノ基調のしっとりスローテンポ曲が主軸の女性シンガーソングライター、柴田淳。声は聴き心地よいけれど、いかんせん幅広い人気と知名度を得るには地味すぎな印象があります。
しかし問題は歌詞で、癒し系っぽい雰囲気だなーとか思っていると痛い目に遭います。タイトルにあるように、「過去の自分」へ語りかけている歌なのですが、いやこれがヘコむヘコむ。「いつの間にか失っていたイノセンスへの追慕」というのは、センチメンタルさを醸し出す上では王道ではあるんですが、それ以上に、「現在の自分」の弱弱しさが目立つんです。
『僕が君の未来だなんて/悲しくて 切なくて/閉じたアルバム』
あー。うぅ。そんなこと歌われるほうが悲しくなるってもんですわ。自己卑下している感じがどうも引きこもりっぽくて、聴いていると「さよなら、青い鳥」っていうFLASHがあるんですが、それを思い出します。インタビューとか読むと、実際歌っている柴田淳本人もしばらく無気力で閉じこもっていて、その末にできた曲なんだということです。やっぱり。
上の引用箇所が1コーラスのサビで、最後のほうになってくると一応救いはあるんで、どん底まっしぐらっていうわけでもないですし、あざとい感じもあんまりしない程度に収まっています。でもやっぱり、引きこもりの素質を持っている人間にとっては、1コーラスが非常に凶悪です。内向的な性格で、落ち込んだときの対処法は元気な歌でなく暗い歌を聴くことだっていうタイプの方にはオススメです。そうじゃない人も、えー、雰囲気だけなら癒し系ですよ?
この前の「未成年」も、その前の「あなたとの日々」もまた、それぞれに違う意味で怖い歌でした。この人の場合、わざとそういうフレーズを作っている気配が全然しなくて、何気なーく出てきた言葉をつむいでいたらこうなりました、みたいなナチュラルさがあって、それがいっそう怖いです。
や、フォローしておくと、普通に幸せラブラブな歌も作るんですけどね。ええ、確か。
柴田淳
コメント(3)| Track back(0) | 2005年01月07日
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