<どこかへ進む前に、まずは触れあい、動こうとしなければ!>
B'zもなんだか久しぶりです。「OCEAN」では真っ当な(真っ当すぎる?)バラードだったのが、今回の「衝動」は突き抜けるような勢いのある疾走ナンバー、そして「結晶」はどこかオリエンタルな響きのする(人気曲「いつかのメリークリスマス」もこういう響きがありましたよね)ミディアムバラード。どちらもB'zらしさを持ちつつ、かつマンネリに感じない突き抜けた感があって好印象です。
「衝動」はとにもかくにもキメの「しょおおおおおおおどうっ!」がインパクトありまくりですが、「ウ・ル・ト・ラ・ソウッ!」よりもカッコいいんじゃないかと。
この前の『あなたのぬくもりがくれる』から間髪入れず続くわけですが、ここの突然のブレイクがやはりインパクトを出しているし、間があるとコード的にも落ち着いて『衝動』って感じが出なかっただろうなあと。
そしてこの曲は、ただ衝動に任せて突っ走れ!みたいな、アニメオープニングにありがちな単純明快な内容ではありません。
最終的には『愛情こそが衝動』と、愛のためにすべてを吹っ切っていこう!みたいなところにたどり着くわけですが、その前には『扉の前で 立ちつくす』弱気な「僕」がいて、それを「あなた」が導いてくれるという構図です。
それだけなら従来どおりのB'zですし、他のアーティストにもそうした曲はいっぱいありますが、この曲での注目点は、どうも現代的な病理を盛り込んでいるっぽいところですね。たとえば、『長い夜に目覚めて/青白い部屋の中』というのは引きこもりを連想させます。これだけじゃ微妙ですが、『ふいに大事な何かを 傷つけたくなる(暗闇のfreedom)』に至ると、ちょっと今までのB'zの主人公像にはないような雰囲気が感じられるんですね。
「僕」が「あなた」によって変わっていく…という物語だけを描きたいなら、こういうフレーズは入れないと思うんですよねー。
最終的に「愛」とか「夢に向かって」とか、これからを感じさせる言葉に持っていくんじゃなく、もっと手前、今現在の「衝動」を生み出すところまでで留まっているのも興味深いです。『あなたのぬくもりがくれる衝動』もそうですし、『その手を 重ねて 知らせて』とか、『ささやいて』とか、コミュニケーションをまず取る。それから「衝動」を生み出せ!というところまでなんですね。
確かな目的地があって「○○へ行こう」じゃなく、「<ここではない、どこかへ>行こう」というのでもなく、『どこかに行けると 信じよう』なんです。…まず足を踏み出すところから!なわけですね。アンダーグラフ「パラダイム」でも書きましたが、ずいぶん歌に込められるメッセージがリハビリっぽい位置まできているなあ、というか。
と、クローズアップしてみましたが、まあ実際にはそんなに強調するようなほどのメッセージが込められている感じでもないんです。ただ、「現代」みたいなものもさりげなく取り入れられていますよ、ということが伝えられれば。
さて「結晶」は、こちらは現代もなにもなく、B'z王道という感じです。『電話してもいいですかね/寒いねって言いたいだけ』なんて、未練たっぷりな感情が渦巻いているのですが、でもそれは込み上げるような激しさを持たないまま、『ま新しい結晶』に静かに固まっていくのです。美しい思い出、と言い換えてもいいでしょうか。
それを『僕らだけしか知らない 美しく光る秘め事』と言ってしまうあたり、とてもナイーブというか暗いというか美化しすぎというか…でも、そこにこそ聴き手は共感しちゃうわけです。
B'z
コメント(2)| Track back(0) | 2006年03月16日
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