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GAKU-MC/桜井和寿「手を出すな!」
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 | 手を出すな!
トイズファクトリー
GAKU-MC/桜井和寿(Mr.Children), Kazutoshi Sakurai, GAKU-MC, Yukihiro Fukutomi, Toshihiko Mori
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<サッカーのゲームを基調において示される、精神的な闘いのメッセージ>
GAKU-MCとMr.Children桜井和寿の異色コラボ。草サッカーとか、ap bank fesとかで交流があり、それで生まれた試みだということです。
サッカーのタイアップなのですが、いわゆる普通の応援ソングではなくて『手を出すな! それだけがルール/頭をつかえ 心を鍛え』というメッセージに仕立て上げているところがうまいですよね。特に「頭」と「心」、精神的な部分に価値を見出そうとしているあたりは、現代的な方向性というか。
そのほかのラップ部分の中身は、サッカーの要素を並べてひねって、わりとオーソドックスな内容に仕上がっています。地位や名声を否定したり、『ロスタイムだってさ 笛が鳴るまでは終わってない』と最後まであきらめず立ち向かう姿を描いたり、ですね。ちょっと面白いのは『そこにリスクがあるのは当然』『“逆境という名の好機”』など、あえてピンチの時に突っ込もうとしているところ。こういうのって、通りいっぺんの歌で叫ぶよりも、こうしたスポーツ・ゲームをベースにしているから説得力が出てくるのかなーという気もします。
で、桜井和寿メロ部分。完全にラップ部分と分離して、どーんと出てくる感じ。いわゆるヒップホップ的なサビ(フック)って、もちろん他のとこよりも耳に残るようになっているのですが、やっぱり言葉を途切れさせずに畳み掛けてくるっていうのが本流だと思うのですが、この曲はそういうタイプではなく、完全に歌メロになってます。HIPHOPっていうよりはglobe的?
そしてあんまりサビって印象は受けないですね。あくまでもメインはラップパートに譲って、その繋ぎ、別のアプローチとして入っているみたい。しっかり歌い上げているのでやけに存在感はありますが、桜井和寿だけを目当てで聴いた人は、ちょっと消化不良になっちゃったかもなあと。
そして『昨日のプレーを超え まだ出会っていない自分探しに行かなくちゃ』『教えてくれ もしかして真逆に進んでいますか?』と、ここでも悩める自分が登場。ただ、「まだ出会っていない自分」ということは「今の自分」ははっきりと実感しているということですし、また『引き返す気はねえ』と、たまにフットボール、じゃなかった『ふっと思う』こともありつつ、進もうというはっきりとした意志も示されていますね。
迷い悩んでいることの明確な答えは出せずとも、『蹴って 走って』『泣いて 走って 命を燃やして』と、とにかくアクションをして悩みを吹っ切ろうという志向は、昨年の「四次元 Four Dimensions」あたりからのひとつの流れであるように感じます。
GAKU-MC/桜井和寿
GAKU-MC
桜井和寿
Mr.Children
コメント(0)| Track back(0) | 2006年08月19日
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平野綾、茅原実里、後藤邑子「ハレ晴レユカイ」
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 | TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」エンディングテーマ ハレ晴レユカイ
ランティス 涼宮ハルヒ(平野綾), 長門有希(茅原実里), 朝比奈みくる(後藤邑子), 畑亜貴, 安藤高弘, 近藤昭雄
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<仲間をグイグイ引っ張っていく強気さを持つ、ノリのよいポップソング>
この春大好評を博した深夜アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のエンディングテーマ。以前にもオープニングテーマ「冒険でしょでしょ?」を紹介しましたが、今回の曲のほうが何かと取り沙汰されることが多かったように感じます。
というのは、発表以降ネット界隈でアニメのエンディング時の映像がインパクトがあるもので話題を呼び、さらにその後その映像の改変(MAD)が大量に制作&流通したという経緯がありまして。海外の動画共有サイトYouTubeの広がりも手伝って、かなり大規模な旋風を巻き起こしていました。興味ある方は、調べればすぐいろいろと情報出てくると思います。
…この辺の話って、このブログ読者のみなさんのどのくらいが既知の情報なのでしょう。
で、まあ曲の話に行くと、アニメに登場する主要女性キャラ3人が歌っているということで。エンディングって言うとしっとり系バラードだったりすることも多いですが、タイトルからも想像がつくとおりテンションの高いアッパーチューンです。『ワクワク』『イロイロ』『ワープでループなこの想いは』『アル晴レタ日ノ事/魔法以上のユカイが/限りなく降りそそぐ 不可能じゃないわ』などなど、部分的にカタカナになっているのが、いかにもな感じ。『カンタンなんだよ こ・ん・な・の』みたいな表記のしかたからも、あえて狙ってポップで楽しげな軽い雰囲気を出そうとしているんでしょうね。
オープニングのほうは、はっきりと「わたし」と「あなた」の関係性が描かれているラブソングでした。が、こちらは恋愛方面っぽいものにとれる描写もちょこちょことありつつ、あんまり本筋ではないような印象を受けます。
『ナゾナゾみたいに 地球儀を解き明かしたら/みんなでどこまでも行けるね』というフレーズ、前段の表現がなかなか凝っていて好きなんですが、注目は「みんなで」とあるところ。また、『走り出すよ 後ろの人もおいでよ』なんてのもあり、「恋愛」というよりも「仲間」のことをテーマにしている歌なんだろうなあと。さらに細かいことを言えば、『明日また会うとき』と普通に入っていることからして、想定しているのは「学校の友達」ですよね、これは。
まあ、「恋愛」のOPも「仲間」のEDも、どっちにしろ一人称視点は非常にアクティブで、相手を引っ張っていくような強さを感じさせます。
ポップでノリがよく、よくまとまっている曲だと思うのですが、そこまで大ヒットするような大きなインパクトがあるかというとそうでもないかなあという気も。ネットで流行った歴代の歌、「日本ブレイク工業 社歌」とか「恋のマイヤヒ」とか、「巫女みこナース」とか「空耳ケーキ」とか「もすかう」とか「ニョキニョキ」とかのもろもろに比べると、はっちゃけた感じがしないですし。ED時の映像が注目を集めて広がった(また、アニメそのものがヒットした)ことが、昨年の「魔法先生ネギま!」の「ハッピー☆マテリアル」以来のヒットにつながったのかなあとも。
平野綾
茅原実里
後藤邑子
涼宮ハルヒの憂鬱
コメント(0)| Track back(0) | 2006年07月23日
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DJ OZMA「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」
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 | アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士
東芝EMI
DJ OZMA, REYAM GEORGE, 綾小路翔
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<源流はやはり日本の歌謡曲センス。ノリだけの曲を笑い飛ばす奴を笑い飛ばせ!>
この春スマッシュヒットになった、「アゲアゲな」ナンバー。DJ OZMAは、氣志團リーダーの綾小路翔の「お友達」だと言い張っているそうで。ふ〜ん、そうなんだ〜(棒読み)
もともとは韓国のDJ DOCという人が2004年にリリースした「RUN TO YOU」って曲のカバーなのだそうです。台湾でもカバーされてヒットしたのだとか。それが今回「ファッション業界でも活躍する実力派クリエイター」(なんだこの肩書き)によって日本に持ち込まれたという感じらしいですね、どうやら。
原曲も探すとわりとあっさり試聴できたんですが、大枠は同じものの、完全打ち込みデジタルサウンドな原曲より、今回のほうが日本の現状の好みに合うように作られている気がします。コーラスが入っていたりリズムにメリハリを付けていたり、遊び心が多めに入っているというか。
根本的には平坦なメロディラインとわかりやすすぎるコード進行があって、シンプルというよりはヒネリがないくらいのレベルなんですが、その分覚えやすい。一回通して聴けばだいたい口ずさめちゃうくらいのイージーさ。話題の波に乗ると、これは大きな武器になります。
歌詞も綾小路翔らしい作風ですな。「脳天気」「勢いだけ」を絵に描いたような内容。コアな音楽好きだと自負している方々がだいっ嫌いな「低俗でノリがよいだけの中身スカスカで頭の悪い歌詞」を体現している感じ?
ギャルサー用語(なの?)の『アゲアゲ』とか、2ちゃんねるを想起させる『希ボンヌ』あたりの言葉を取り入れているあたり、明らかにわざとこのテンションをブチ上げているなーと。こういうのに眉をひそめる人も笑い飛ばそうとしているので、一緒にバカになって楽しむのが正解です。
とはいえ、もっと派手派手な内容かと思っていたんですが、そこまでアゲアゲでもないような気がするのは自分だけでしょうか。なんというか、ギラつきがもっとあってもいいような…
あー、でも、ディスコ的なギラギラした感じじゃなくて、クラブ的なローな雰囲気を重く置いているからなのかな。そのほうが時代の雰囲気にも合うような気がするし。どっちにしろ、日本人好みのわかりやすい曲調や味付けなど、根はやっぱり歌謡曲が流れているなーとつくづく思うんですけどね。
DJ OZMA
綾小路翔
氣志團
コメント(0)| Track back(0) | 2006年06月09日
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AAA「Shalala キボウの歌」
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 | Shalala キボウの歌
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ AAA, 石田衣良, Ryosuke Imai
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<派手ではないし媚びてもいない、現代の若者へ共感する視点>
早くもこれで6枚目のシングルということで、デビュー1年未満としては異様なまでのハイペースでリリースを続けています。なんというか、意図がつかめないというか…早いうちに売り切ってしまいたいのかもですが、自ら賞味期限を縮める危険もあるし…まあ、リリースペースってアーティストによってだいぶ「それぞれの幅」が出てきた気がしますし、ひとつの特徴と考えることもできますが。
で、今回のポイントは、「池袋ウエストゲートパーク」の作者として知られる直木賞作家・石田衣良が作詞しているということ。こういうパターンって、言葉そのものは味があっても「音に合わせる」ってとこで失敗したりしますが(例:SMAP「BANG!BANG!バカンス!」)今回はなかなかうまいことやってるなあといった印象。
たとえばAメロ→Bメロ移行時に『でもきみは負けない』とパッと雰囲気を変えてみたり、サビで緩やかなコーラスの後の高音シャウト部分に『こんな時代 こんな闇のなか』という叫びとか『きみとわたし 出会えたから いま』といったキメ台詞を入れてきたり、とか。歌の言葉の組み方を意識して作っているんじゃないかな、と感じました。
そのほか、ひらがなを多用したりする表記や、『勝ち組負け組なんて/簡単にシール貼って』と社会への不満の述べ方とかも、ほどよい加減だなあと。若者の言葉を代弁しているわけですが、若者に媚びている感じがしません。この辺はさすがですね。
曲も決して派手ではないですが、悪くないです。単にわかりやすいカッコイイ曲ばかりを立て続けに歌うのではなく、こういうタイプの曲がけっこう多いですよね、彼ら。ひたすら力押しのHIGH and MIGHTY COLORとは、似てそうで実はいろいろと違うタイプのようです。
AAA
コメント(4)| Track back(0) | 2006年06月06日
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仲間由紀恵 with ダウンローズ「恋のダウンロード」
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<プレーンな声とポップスの巨匠とユルユルな詞が生み出す懐かし感>
auのCMから話題を呼んだ、仲間由紀恵が歌う楽しげな曲。当初はダウンロードのみの提供を予定していたのが、予想外の好調でCD化されたとのこと。
彼女、調べてみると一応デビュー当初は歌手業をしていたようで、7曲ほどシングルを出しているらしいです。しかも小室哲哉プロデュースで。とはいえ今回はそういった流れとは関係なく、「TRICK」「ごくせん」「功名が辻」と話題のドラマを次々と渡り歩く人気が先行しての企画でしょうね。声は悪くはないですがこれといった特徴もなく、でもプレーンだからこそ味の染みる曲なんで、その辺りの相性はよかったんじゃないかなと。
しかし筒美京平作曲とは、また豪華な。それも関係して、かなり懐かし感のあるポップな楽曲に仕上がっていますね。『恋のダウンロード ふたりパレード』と韻を踏んでいくわけですが、「ダウンロード」という言葉だけが現代的で、こんなフワフワした楽曲で「恋の○○」と歌うっていうのは、往年のアイドルポップスの王道っぽい雰囲気全開です。
結局のところ「恋をダウンロードする」って、どういうこと?とか、『ロマンティック いま始まるよ』とか、あんまり説明や整合性を重視していない、いわばノリ先行みたいな内容が、これまた緩く力の抜けたアイドルポップスらしさでもあるわけです。最近は何かと内容のあるしっかりした曲がもてはやされる傾向があったし、こういう曲はあんまりなかったので、逆に新鮮ですよね。しかもこういう曲作ることにかけては30年のキャリアがある筒美京平を起用しているわけですし。
ま、「ダウンロード」は『朝がきて消える夢/かなえなければ意味がないね』あたりから察するに、「現実のものにする」「手元に置く」みたいな意味合いで使っているんでしょうけれど。
仲間由紀恵 with ダウンローズ
仲間由紀恵
コメント(0)| Track back(0) | 2006年06月02日
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AAA「ハレルヤ」
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<「男と女」ではなく、「男も女も」もっと広く>
男女8人組ダンス・ユニットAAA。ノリのよいポップチューンです。
基本はダンスユニットですが、歌の難易度はかなり高めなので、テレビで見たところメインで歌っている2人はあんまり動かない感じですね。ラップもあるし、陽気な曲調だし、DA PUMP男女混合版っぽい雰囲気だなあと。
男女で歌うという形式って、あんまりないわけで。それはデュエットのような「一対一」で恋の駆け引きをする、みたいなのがすごく歌謡曲的で「古い」と思われているせいもあるのかなあと考えたりします。SUPERCARくらいにソフトだったらアリなのかもしれませんが…
ただAAAの場合は、「男女で向き合う」わけじゃないんですよね。歌っている二人が向かい合っているわけじゃなく、二人は聴き手のほうに向かってメッセージを投げてきているんです。
90年代でいうなら、カズンじゃなくてZEROってことです。たぶん。うわー自分で言ってて懐かしいなあ。
さらにこのAAAの今回の曲の場合、『僕達だけの 未来を』とか『ヨロコビも分け合えたなら』とか、「みんなで盛り上がろう、進んでいこう」というのがあるわけです。ふたりじゃなく、みんな。男女で歌っているというのは、「男の子も女の子もみんな」ってことなんですね。
これなら、こういうユニットで歌うということにも意味が出てきますね。
AAA
コメント(0)| Track back(0) | 2006年04月23日
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弁護士 丸山和也「浪漫(ゆめ)-さらば昨日よ-」
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<キャラクターの魅力に合致し、全年齢に対応する言葉>
丸山弁護士、マラソンに挑戦したかと思ったら、次は歌手デビューでした。名前に「弁護士」が付いているあたり、狙いがハッキリ見えてますねー。
とはいえ作詞が荒木とよひさで、『空を心に抱き』とか『夕やけは いつもバケツの穴ぼこ』みたいな実に味わいのある言葉で彩られていて、なかなか侮れない感じ。熟年の歌い手が『一度しかない人生』というと、やっぱり若人には出せないものが立ち昇ってきますよね。しかも他人に言い聞かせているのではなく、自分自身に。『喧嘩するなら今』と、まだまだ気力をみなぎらせている姿を描いているわけです。これもマラソンのぶん説得力増してるのかな。
「まだまだ若いものには負けん」とかそういうことも言わず、『熱き少年なら』と今も少年なんだと主張する。近い世代の方はこれを聴いて発奮するでしょうし、キャラクター的に若者にも説教臭くならないのが大きいですね。
メロディ、純粋な演歌というよりはポップスに近い部分もありますよね。「サライ」とかに近い、歌いやすさ馴染みやすさを考えられて作ってあるフシがあります。
歌もなんというか、らしいというか、楽しげに歌っているイメージがすぐ浮かんできますよね。上手い下手じゃ計れない魅力があると思いますし、この歌の雰囲気だとむしろ下手なほうが逆にいいくらいですし、面白いんじゃないでしょうか。
にしても『それが男の浪漫』の「それ」が何を指しているのか、さっぱりわかりません。完全に「それが○○だ」という響きのよさだけになってますねー。ある意味、潔い。
丸山和也
コメント(0)| Track back(0) | 2006年03月05日
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東京スカパラダイスオーケストラ「追憶のライラック」
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 | 追憶のライラック
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 東京スカパラダイスオーケストラ, ハナレグミ, 谷中敦
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<気だるい雰囲気の音と声がいざなう、追憶の物語>
基本はインスト路線ながら、以前にも田島貴男やチバユウスケ、奥田民生らをゲストボーカルに迎え「三部作」として曲をリリースしたこともある東京スカパラダイスオーケストラ。ちなみにいちばん好きだったのは田島貴男「めくれたオレンジ」でした。
今回もまた三部作になるようで、その第一弾がこの「追憶のライラック」。緩いムードの中に心地よく漂う声は、ハナレグミの永積タカシ。この人の声はなんというか、伸縮性があるというか…味があるのに粘っこすぎず、すごくいいですよね。
陽気なイメージの強いのがスカという音楽ですが、落ち着きやアダルトな魅力をもばっちりアピールできるのがスカパラの大きな魅力で。その方向を詰め込んであるこの曲の気だるさに、永積タカシの柔らかい声が溶け込んでいて、じっくりと聴ける作品になっています。気がついたらリピートしちゃう。
さて、その性質上、演奏面がクローズアップされがちな彼らですが、毎回、詞もなかなかいい感じだなと思っています。言葉の選び方にセンスを感じるんですよね、タイトルをとってみても「美しく燃える森」とかすげえなーって思っちゃいますし。やっぱり「音」を中心に据えていて、詞の言葉を「音」へのスパイスとして使おうとする以上は、聴き手にイメージを喚起させられる言葉は何か?ということを考えているのかもしれません。
今回はイメージ性よりも「失った恋」という物語性が大きく出ていますが、『鍵をかけてしまいこんでた思い出』とか『言い出してやめた言葉のかけらを/集めて繋げる物語』などなど、詩的かつクサさもない良フレーズが並んでます。世界に浸れる、という点では、イメージ喚起の詞とも同じ魅力があるなあと。
気になるのは『「寂しいときだけそばにいてくれ」と/わがままな僕を抱き締めて/優しく笑った君を思い出し/涙を流していた』というサビ部分。これ、確かに相当わがままです。また、ひたすら過去に浸っているのを『終わらない未来』と表現するのなんかも、ブログの方向性的に「現代はこのようにナイーヴで弱い男性像が描かれる傾向にあり…」とか一席ぶちたくなる要素が満載です。
が、スカパラの場合もともとの音楽性や、あんまり同時代性を感じないということもあり、そういうことは言えないかなーと考えてます。あくまでもこの曲単体での世界観を作り上げるための設定である感じですし。
間奏のトロンボーンソロが気だるくて、でも退廃さは感じられなくて、いい具合です。トランペットだと出せない味ですよね、これ。願わくばあと倍くらい長さがあったらよかったのに。
東京スカパラダイスオーケストラ
コメント(0)| Track back(0) | 2006年02月13日
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the holiday「涙雨」
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以前1stアルバムレビューもした、知人2名参加、1名お手伝いしているインディーズバンドです。詳しいことは上のアルバム紹介のとことかオフィシャルサイトをご覧いただければと。
とりあえず活動は順調に続いているようで、アルバム発売からライブを3回、そしてこのシングルのリリースと、いろいろやってます。また春にライブがあるらしいので、行けたら行きたいですねー。
で、シングルの話です。
サイトのほうで試聴&歌詞掲載があるので、そちらを参考にしながら読んでもらえればと。
7月リリースのアルバムでのインプレッションを大雑把にまとめると、「重過ぎない、でも軽すぎもしないポップな音を鳴らせるバンド。ただし、洋楽っぽい曲と邦楽っぽい曲が混在していて、それは幅の広さとも言えるけどまとまり的にはちょっと欠ける印象」というところでした。
で、今回収録されている3曲はどうか。これが、それぞれ個性を持ちつつ、J-POPの立ち位置の方向でぐっとまとまっている、という感じです。それも、ぐっとポップな音楽になって。
とりあえず、一曲ずつ見て行きましょう。
1.涙雨
タイトルは一見哀愁系かと思わせておいて、実際には弾んだリズムに乗って『涙じゃ花は咲かないよ』と歌う、ポジティブなメッセージのある歌です。
主人公に設定されているのは、好きな女の子になかなか告白できずにいる思春期の少年。そんな初々しいというかたどたどしいというか、悶々とした感情の描き方がいいですね。『肩肘張ったこの思いを なかなか僕はほぐせないよ』とか、『手紙に書いた思いを 言葉にできないで/あれこれ四苦八苦してる 僕の虚しさ』とか、自覚してるのにうまくできないでヘコんじゃう感じが微笑ましい。『「泣きたいときもあるんだ」なんて/見え透いた言葉に込めた願いは 君の優しさ』とか、弱い部分をチラリ、みたいなちょっとヒキョーな手をわかっていて使っちゃうのとか、現代的ですね、なんか。
そんな「僕」が勇気を持って『ただただ僕は 君が好きだって 精一杯 伝えよう』と決意する、そのポジティブな思いがサビの『涙じゃ花は咲かないよ』というキメのフレーズにつながってくるわけですが、ちょっとここの接続が弱いかなー。フラれたけど元気だそう、とかなら「涙」も自然なんですけど、告白できなくて悶々としている感情が「涙」を呼ぶかというと、ちょっと疑問がありますし。メロのウブな恋わずらい描写もサビのキャッチーさもそれぞれ良くできているんですが、ちょっと違う方向を向いているとこがあるかな、という気がしました。
ただ曲が終始安定して楽しげなので、あんまり違和感ないです。実にポップでカラフルな音づかい。前回のアルバムよりも、一段響きが明るくクリアに聴こえます。出だしがブラス、間奏はビブラフォン…と、ギターではなくキーボードが主体のサウンドになっていることも一因でしょうか。
サビ、同じメロディラインを2回繰り返すとみせて一音だけ変えてあるのとか、細かいテクニックですね。1度目と2度目でコード進行をいじっているせいですが、こういうのは実にポップソングらしいとこですね。ニヤリとしました。
2.とりあえずお茶
簡単に言えば「ウルフルズinキャンパスライフ」といったとこですか。3パターンの「あちゃ〜」な出来事がなんだか微笑ましい脱力ソングです。
基本的に鳴っている音は正統派ロックのはずなのに、『なんだこりゃ えらいこっちゃ ぜんぶメチャクチャ/いやんなっちゃう そんなときゃ とりあえずお茶』としょうもないたたみかけでの韻踏みとか、実にトータス松本っぽい。ギターのひずんだ音もユーモラスに聴こえてしまうというものです。
しかも、セリフ入り。なんだかフェイドアウトめになってるんですが、ちょっと聴き取りにくいかな。きちんとオトしてもらわんと。あと、サビのコーラスとか、せっかくだからバックみんなでやったりしたほうが面白かったんじゃない?とか。
歌詞も3つみんな時間に絡んでいるもんなので、もうちょいヒネったり、せっかくだからもっとハジけたエピソードにしてもよかったかも。…と思いつつ、大学生のモラトリアムな日常っぽくて、これくらいの脱力のほうがむしろちょうどいいのかもしれないなあ、と思ったり。
ライブでやる機会があったら、ぜひ新しい小話を用意してほしいものです。本番前に弦が切れた!とか。そりゃシャレにならないか。
3.渚のBABY BLUE
海にあの頃を想う傷心ソング。はじめに聴いたのが海岸沿いでのライブだったので、雰囲気出てました。そのときの第一印象は「なんか、サザンっぽいなあ…」でした。シチュエーションがもろにサザンなことに加え、メロのメロディラインはかなり近いものがあります。『忘れかけてたOh my love was you』『思い出すのはWhite beach on that day』なんて英語を混ぜた言い回しとかも、ヘタすると桑田圭祐のしゃがれ声で聴こえてきそうなくらい。
でも声はもちろん全然別物だし、サビの頭を溜めるのが印象的なメロディラインはサザンぽくない、もっとスッキリした感じ。そのため、哀愁レベルだったらその辺で大きく負けてしまうものの、切ないのにどこか爽やかさ、清々しさも感じられもして、それはいい味になっているかなと。
サビの手前でリズムパターンを変えてタメてみたり、最後の盛り上がりでブレイクしてみたり、淡々としているようでサウンド的な魅せ方もちゃんと考えてますね。『いつもただそれだけで永遠を掴めたような/そんな気になれた 愛し日々よ』なんてフレーズも好みで、3曲中ではこれが一番好きかもです。
以上!
総じて、バラエティに富んだラインナップ、アーティスト志向というよりはエンターテインメント精神を感じる詞、キーボードを多用するサウンドと、ポップ方面の実力が花開いたなあという印象。とてもカラフルで、でも前回のアルバムで難じたようなまとまりのなさは感じられない、という点ですごく良くなったなあと。
あとは、アルバムで見せた洋楽テイストをどう違和感なく混ぜていくか。これができるとさらに可能性が広がって楽しいことになるんじゃないかなあ。それと声ですかねー、やっぱり気になるのは。これはまあ演奏技術やパフォーマンス力と同じように、場数を踏んで身につけていってほしいところです。頑張ってや〜。
the holiday
コメント(0)| Track back(0) | 2006年02月02日
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修二と彰「青春アミーゴ」
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 | 青春アミーゴ (通常盤)
ジャニーズ・エンタテイメント
修二と彰, zopp, Shusui, Fredrik Hult, Jonas Engstrand, Ola Larsson, 山下智久, Tomohisa Yamashita, Tomoji Sogawa, 亀梨和也
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<キャラ名義曲の浸透と懐かしい歌謡曲の匂い、その実体は現代らしさ漂う悲劇のパラレルワールド>
ということで、あれよあれよという間にミリオン達成してしまった2005年最大のヒットシングル。NEWS山下智久・Kat-tun亀梨和也の二人組。出演したドラマ「野ブタ。をプロデュース」内のそれぞれの役どころが、そのままコンビ名になっているとのことで。
ジャニーズの限定二人組ユニットというと、一年前にスマッシュヒットしたトラジ・ハイジ「ファンタスティポ」を思い出します。あちらもまた映画の登場人物としてのリリースでしたし、また懐かし歌謡曲サウンドという点でも非常に似通っています。トラジ・ハイジの成功が今回のユニットの下地になっているということは、容易に推測できます。さすがにこちらのCDには、謎のトークは収録されてはいませんが。
また、その後に映画「NANA」とその主題歌NANA starring MIKA NAKASHIMA「GLAMOROUS SKY」と挿入歌REIRA starring YUNA ITO「ENDLESS STORY」の大ヒットがあり、どちらも役柄名義でリリースされています。こうした、キャラクターを前に出した音楽というものが、この一件で一気に馴染みやすいものになったというのも、ビッグヒットの要因のひとつではないかと考えています。
さて、「ファンタスティポ」が映画のタイトルをそのまま付け、NANAもまた映画で実際に使用されるなど作中イメージに合わせているのに対し、修二と彰は名前こそ登場人物名ではあるものの、曲の内容はまっったくドラマに関係ありません(ドラマの中で歌ってたりするんでしょうか?)っていうか、びっくりするくらい突飛なシチュエーションです。『携帯電話』が鳴り響いているからには現代なのかもですが、『ミ・アミーゴ』(=友よ)と呼びかけてみたり、一人は何者かに追われ、相棒が駆けつけたときには手遅れだった…という、昔の刑事やマフィア映画のようなシチュエーションで、芝居がかってます。『地元じゃ負け知らず』なんて言っちゃうのもレトロなセンスという感触ですし、意図的にパラレルワールドを作り出そうとしていると考えられます。
もともと現実の一般社会とは離れた存在である芸能人二人組が、架空の人物名義で、どこにも存在しない設定の世界を歌う…という、何重ものフィクション構造がここにはあるわけです。
さて、自分はこの曲を聴いて、真島昌利/あるいは近藤真彦「アンダルシアに憧れて」を思い出しました。哀愁歌謡な曲調、「今、ここ」ではない舞台設定、芝居がかった言い回し、悲劇のシナリオ、アイドルが歌っている…と、共通項が非常に多いんですよね。
両曲の比較を細かくやっているとキリがないんですが、大きな違いを挙げておきましょう。
・「青春アミーゴ」はさっき述べたように、架空のキャラ名義で歌っているぶん、一段階フィクション構造が多い。
→たとえばこの曲を実在の歌い手で歌ったら、今の時代、ちょっと受け入れにくいのではないか。このワンクッションの入り方が、15年の時代の差なのではないだろうか。
・「アンダルシア」が悲劇の中でも待ち合わせの約束を守ろうとし二人の未来を夢見ているのに対し、「青春アミーゴ」は『例の約束 守れないけど』とこぼし『旅立つ日の綺麗な空』を思い出している。
→前者は決して叶うことのなくなった夢をそれでも追おうとしていること、後者は叶わないことを自覚し過去の良き時代を思い出すことで、それぞれ悲劇性を演出しようとしている。
・どちらの曲も設定や言い回しが芝居がかってはいるが、最初から最後までハードボイルドに徹している「アンダルシア」とは違い、「青春アミーゴ」のほうは親友同士のやりとりだという点で、「素」っぽい雰囲気もある。『ごめんな』とか。
→ある種のとっつきやすさも取り入れたかったのではないか。
というところでしょうか。
こうして比較してみると、架空世界を演じる歌でも、曲同士の違いがそれぞれの時代の違いにつながってくるように感じられるんじゃないかなと。
逆に共通点に目をつけても面白いですよね。どちらも泣き歌謡で、「アンダルシア」がわりと上の年代の男性のカラオケ人気が高いことを鑑みると、「青春アミーゴ」が大きなヒットになったのは、そういった層も持ち歌にしたくて買っているからかもしれない…とかですね。
修二と彰
コメント(8)| Track back(0) | 2005年12月31日
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