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高橋瞳「僕たちの行方」
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 | 僕たちの行方
ソニーミュージックエンタテインメント
高橋瞳, Yuta Nakano, shungo., Hitomi Takahashi, Natsumi Watanabe, Shinya Saito, mavie, Gen Kushizaki
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<テンプレ的な「僕ら」のメッセージと、そこからはみ出す若さ>
何者だかよく知らないのですが、どうもソニーの新人オーディション大賞だということです。で、ガンダムの主題歌と。
アニメ主題歌は今、大きく分けて3種類に分類できるかと思われます。
1.ひたすらオタク的要素を全開にし、売り上げをアップさせる「萌え」系。「魔法先生ネギま!」の一連のシリーズなど。
参考:武道四天王「KIZUNA」
2.一般のヒットチャート常連を起用。「るろうに剣心」以降の流れ。バトル系少年漫画に多い?
参考:FLOW「GO!」、サンボマスター「青春狂騒曲」
3.「過去」「悲しみ」「傷」から立ち直り、「夢」「明日」「希望」を目指す歌。たいていは打ち込み主体で疾走感があり、女性がボーカルをつとめる。
参考:玉置成実「Reason」
もちろん非常に大雑把ですんで、無粋なツッコミは無きよう。多い傾向上位3種類、くらいに考えていただければ。坂本真綾なんか独自路線ですし、「ハチミツとクローバー」のOp:YUKI・Ed:スネオヘアーという起用はいいトコ突いてますし、とか、細かく考えていくと、この業界もキリがないので。
で、まあ、この曲は明らかに「3」です。非常にまっとうなメッセージソングになっています。なんだか、小学校のころとかポップスがどうして恋愛の歌ばかりなのかわからなくて、そういうのよりアニメ主題歌のほうがいいこと歌っているよなあ、とナチュラルに考えていたことをふと思い出してしまうくらい、まっすぐなメッセージです。
声が非常に若々しいこともポイントですね。うまく歌おうとしてあれやこれやと考えていたりしてなさそうなのは、好印象です。この点以外は既視感あるフレーズだらけでもはやフォーマット化された器に感じるんですが、乗っている声が新鮮な雰囲気ですね。
でもあんまりまっすぐすぎて、英語部分がどうしても「コザメバゴナストッピッパッドリー」ってカタカナで聴こえるのはどうにかならないものでしょうか。なんか微笑ましいですが。
高橋瞳
コメント(0)| Track back(0) | 2005年05月27日
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玉置成実「Heroine」
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 | Heroine
ソニーミュージックエンタテインメント
玉置成実, 西田恵美, A.Bellinder, S.Engblom, Shusui, H.U.B., S.Aberg, 日向めぐみ, 中野雄太
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<現実世界と抽象イメージの狭間で、描かれる「強い女性」像>
デジタルサウンドをバックに歌う女性ボーカルとして、だいぶ地位を確立してきた感がある玉置成美です。流れ的にはガンダムのタイアップから人気を上げてきた印象ですけど、アニメ系女性ボーカリストにしてはずいぶん声が若々しいなあと感じます。いかにも声優的な声か(こういうのとか)、もっと年季のこもった母性的な声か(こういうのとか)、ってわりとかっちり分かれているような気がするんですよね、アニメ系デジタルサウンドの女声って。
まあ、この人もともとは「大胆にいきましょう ↑ Heart & Soul ↑」とか、軽めのノリの路線だったわけで。そんなわけで、なんというか立ち位置が微妙な部分があるんですが、でもそれなりに知名度が上がってきた今では「垣根を越えた」っていうイメージも出てきてプラスになっているのかもしれません。
本題の曲ですが、こちらテレビ番組で浜口順子の応援ソングとして使われているそうです。そんなタイアップと呼応し、強く生きる「Heroine」像を描いてます。
『そっと翼 休めて眠れ』とか、抽象的にキレイな表現をしてくるあたり、やっぱり気のせいではなくアニメ主題歌
的な要素が残ってますね。これを現実的に表す、たとえば『今日もさまよい歩く』というフレーズに「ビルの群れの隙間を」とか現代的なオブジェクトを入れてみると、一気に「現代女性の心理を歌った、共感を誘う曲」って宣伝文句の付く歌に変貌するわけです。アニメ主題歌とドラマ主題歌の詞の違いっていうのは実際そんなもんですが、この「そんなもん」の壁はけっこう高かったりします。
で、「戦う女性の美しさ」みたいなものってのは昔から強く人を惹きつける設定でして。歴史的に見ても、ジャンヌ・ダルクとか巴御前とかオスカルとかいますよね。最後は冗談ですが。
ただそういうのって、けっこう男性からの視点ってのが強いと思うんですよね、たいていは。少なくとも今回のように、「女性が強く生きる女性を称える」っていうシチュエーションって、あんまり見ないように感じたのですがどうでしょうか。
これは、性のボーダーレス化が進む現代における、新しい潮流なのかもしれません…
曲中で「Heroine」と呼びかけるのを、そっくりそのまま「少年」に差し替えても全体が成立しちゃいそうだ、っていうのは、まあ、内緒ですけれど。
玉置成実
コメント(0)| Track back(0) | 2005年05月21日
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DREAMS COME TRUE「何度でも」
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前回の「ラブレター」の記事、読み返してみたらちょっとホメすぎですね。や、いい曲なのは間違いないですが。
とにかくその中で“「みずみずしさ」が戻ってきたのかなあ”ってことを言ったわけですが、今回の「何度でも」もまた、みずみずしさを感じさせる歌になっています。メロは大人っぽさもありますが、サビの畳みかけとか、なんかちょっと若返った感じで。
『10000回だめで へとへとになっても/10001回目は 何か 変わるかもしれない』
この曲のポイントは間違いなくここで、この想いがあるからこそ「何度でも」繰り返そうと強く決心しているわけです。相当なバイタリティある考え方で、ガツンとやられた人は多いでしょう。ただ、このメッセージにうんざりする人も相当数いるかなというのも、想像するに難くありません。しかしこの歌は、ただ根性論に終始しているわけではないのがキモでして。
はじめに聴いたとき、最後に『10001回目は 来る』とつぶやくように歌われたとき、ちょっと寒気がしました。それまでの10000回が成功していようと失敗していようとどうだろうと、そんなことにまったく関係なく10001回目は来て、時間とか人生だとかはそうやって続いていくわけです。10000回の失敗にうんざりしても、もういいやって思っても、10001回目からは逃れることはできないんですよね。10000回成功しても、10001回目には失敗するかもしれませんし。
こうして、「10001回目からは逃れられない」ということを歌詞にすっと組み込んだことで、「どうせ避けられないのなら、ぶち当たっていった方がいい」、「何度でも」の精神に聴き手を導きやすくなっているかと思います。
DREAMS COME TRUE
コメント(4)| Track back(0) | 2005年04月06日
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Do As Infinity「For the future」
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 | For the future Do As Infinity, Ryo Owatari, Seiji Kameda エイベックス・ディストリビューション
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一本突き抜けた感のある、アッパーなDo As Infinityのナンバー。『どーぞ』とか『ツベコベ』とかの表記の遊び心も、狙ってやっているという雰囲気なく、抜けのよい感覚で伝わってくるようです。
『誰だって一度は 大空を飛べるさ』と元気づけていますが、ということは、このメッセージは「大空を飛んだことのない人」に向けて投げかけられたものです。もちろん人は空を飛べないので、ここでは「(空を飛ぶような)爽快感/達成感/満足感を得たことのない人」もうちょっと踏み込めば「夢を叶えたことのない人」を指している、と見ることができるわけです。これから夢を叶えていこうとする若者向けの歌、なのですね。
まあ大体メッセージソングはそういうものですが、この曲の場合は、『あと少しでまた強くなれるさ』とも言っています。何気ないですが「また」がきいていて、「今まで少しずつ成長してきたように、ゆっくりと強くなっていこう」という、単なる叱咤激励じゃない、優しく呼びかける一面を出すことに成功しています。
Do As Infinity
コメント(0)| Track back(0) | 2005年03月01日
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day after tomorrow「君と逢えた奇蹟」
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 | 君と逢えた奇蹟
day after tomorrow, 五十嵐充, 石塚智生
エイベックス・ディストリビューション
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とりあえずみなさん「昔のELTを思い出す」って感想でしょうから、そうじゃないところを探してみよう、いうのが今回のレビューのテーマです。
「昔のELT」に似ているのは、言うまでもなくプロデューサーが同じ五十嵐充だからですね。
作曲は、シングルに関してはメンバーの鈴木大輔が手がけることが多く、この人はたまに 「lost angel」とか、やや違う雰囲気の曲も作ります。が、キーボーディスト的なメロディラインを作る、という点では五十嵐氏と共通点もあり、今回の「君と逢えた奇蹟」は特に五十嵐氏と似た感じになっています。そこに加え、やや早めのミドルテンポに、透明感あるキーボードと合いの手要員のギター。打ち込みで主張の少ないリズム隊、そして決めドコロにはオーケストラヒット。サビ前の不思議な転調も併せ、アレンジもかなり「昔のELT」的です。
こんな感じで、曲に関しては、自分がそこまで詳しくないということもあり、違いを見つけられません。
詞も、こないだEvery Little Thing「恋文/good night」で書いた「昔のELT」のような、“「イマドキの女の子」を前面に出した”内容になってます。『「イマイチね(笑)」』とか、ちょっと無理しているような感もありつつ、メイクなど具体的な日常に触れるのは、やはり同系統の特徴と言っていいでしょう。
ただし、今回に限って見ると、そうした描写は印象よりも控えめで、抽象的な文にとどまっている部分がけっこうあります。タイトルの「君と逢えた奇蹟」もそうですが。
また、妙にルビ言葉が多いです。『累ねて』←「重ねて」、『苦笑ってたね』←「笑ってたね」、『謡』←「歌」など、あえて変わった漢字を使っている箇所が目立つんですね。
この二つは、つまり、「昔のELT」よりも、内容にやや含みを持たせているのだと言えます。リアルな女性の毎日を描きつつも、現実に終始するのではなく、ややそこを離れ、俯瞰して見ている視点があると言いますか。
この差は、そのまま90年代と00年代の、J-POPにおける時代の差に当てはめても、うまい具合にいくような気がします。お祭り騒ぎのように混沌としていて、半径数メートルの空間のリアルさを求めていたかつての時代と、ちょっと頭が冷えたついでに、過去の傷とか生きる意味とかまで考えたりしている最近との差、みたいな。
少なくとも「昔のELT」は、『温かい記憶の海に包まれている』みたいな表現はしなかったはずです。もっと直接的な言い方でした。
ただ、詞に時代的な変化を見て取っていると、代わり映えのしないアレンジがいっそう目新しさなく聴こえるんですよね。まあ「昔のELT」が今も好きな人や、「昔のELT」を知らない世代が支持していると考えれば、そんなに不思議なことでもないですが。
day after tomorrow
コメント(5)| Track back(0) | 2005年02月11日
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Do As Infinity「楽園」
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 | 楽園 Do As Infinity, Ryo Owatari, Seiji Kameda エイベックス・ディストリビューション
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二種類の弦のリズムパターンが印象的な楽曲。
メロディラインの質はいつも通りという感じですが、今回は歌詞が微妙かな。反戦メッセージ、ありきたりすぎませんか、これじゃあ。もうちょっとオリジナリティというか、「普通より少しずらした視点で」まっすぐな歌を作る人たちだ、と思っていたんですが、ちょっとなー。
たとえば「真実の詩」にも争いがどうこうって歌詞は出てくるのですが、あっちは幻想が入り混じりつつグサっとくる味があったのになあと。
面白いなと思ったのは、サビのラスト、『生きてゆくんだ 明日へ』の最後の伸ばしが、あえて「終わり」である適切な音にはまらずに、宙ぶらりんになったまま響いているところでして。
ここ、強いメッセージとは裏腹に鳴っているコードはマイナーって時点で、楽観的なだけじゃない雰囲気になってますね。ただ音もマイナーコードに当てはめきってしまったら、さすがに暗すぎだったでしょう。この終わりきらずに続いていく感じは、ありきたりめな詞を深めるのに役立っているかなと感じました。
Do As Infinity
コメント(0)| Track back(0) | 2005年01月30日
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TiA「ねがい」
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 | ネガイ/バースデーイヴ
TiA, 渡辺なつみ, 大野宏明, H.U.B., Face 2 fAKE
ERJ
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デビュー曲「Every time」でビックリさせられて以来、勝手に注目している17歳の新人TiAの3rdです。
超シンプル&オーソドックスなバラードで、まあきっと魅力である声の良さを大々的にアピールしたかったんだろうなという計略がはっきり見えてまして、それが成功したのかどうなのか、それなりに有線なんかでも流れているようです。試聴はこちら。なんか雰囲気だけでなく、メロディラインやコードまで、MISIA「Everything」っぽいですね。声質はけっこう違いますけど。
似ている曲があるから、ってわけではなく、フレッシュさに欠けるような。本当に何のひねりもないんですよ、今回。「いい歌でしょ」ってオーラ出しまくりで、確かに悪くはないんだけど、「Every time」で見られたようなみずみずしい感性が、かなり無視されているような気がするんですよね。
作詞も作曲もクレジットは完全に外部委託でして、曲調といい『私だけの あなたでいて』『つないだ手のぬくもり』など定型的な詞といい、型どおりの曲を作って押し込めているような感じ。売れ線を狙うのは非常に職人的な難しさがあり、それ自体が悪いことじゃないんですけど、でも今回は歌い手の魅力をいくらか殺してしまっていると思うんです。
ま、自分が入れ込んでいるだけの話って噂もありますが。
とにかく2nd「流星」の記事で心配したことが起こってしまった、という感あり。もっと自由にやらせてあげた方がいいと思うんですけどねー。
ただ、全部自作しろ、とは言いませんが。c/wの「バースデーイヴ」は、やはり自作曲ではないけど、いい味出てるんです。こうやって他人の作った曲を歌いこなしていくのは、ステップアップしていくにはプラスに働くはずですし。
なのでやっぱり今回の問題は、できた曲が「狙い過ぎ」な点だったなと。今回だけならいいんですけど、これからもこういう路線でいくとしたら、やだなー。
とりあえず、方向性を見極めるため、1stアルバムを聴いてみることにします。
TiA
コメント(0)| Track back(0) | 2004年12月28日
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玉置成実「Reason」
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 | Reason
玉置成実, shungo., ats-, Saeko Nishio, Yuta Nakano, mavie, Miki Watanabe
ソニーミュージックエンタテインメント
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「ガンダムSEED DESTINY」のテーマだと聞かなくてもすでにアニメ主題歌っぽい、キメキメの打ち込みデジタルナンバー。こういう曲って最近めっきり減ったような気がしますが、気がするだけですかね。一定量の需要は常にあるのですけどね。
なんか『変換ってく』で「かわってく」、『あの頃の二人に戻るかな?』で「なれるかな」と読ませていたりして、なんだかTWO-MIXを思い出してしまいました。こういう当て字も、このテの曲には多いですね。TMRとかもそうだし。リズムとか、サビが同じパターン二回でできているとか、『約束』『奇跡』『真実』あたりの単語とか、伝統を踏襲している(?)箇所が、多く見られます。
ただ、意外にもボーカルがけっこう独特というか。メインストリームなのは、伸びやかでどこか無機的な歌い方なんだと考えているんですが(たとえばこれとか)この玉置成実って人はけっこう感情を入れているというか、楽しそうに歌っているのが印象深いです。ちょっとぶっきらぼう気味ですけど。
玉置成実
コメント(0)| Track back(0) | 2004年12月04日
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DREAMS COME TRUE「ラヴレター」
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やー、いい感じですね。ドリカム真骨頂というか。アレンジ効かせまくりーのフェイク入れまくりーの超絶技巧もまたドリカムらしいといえばそうなんですが、こういうシンプルな作りにボーカルの力と身に覚えがある人には殺人的な威力の詞、がやっぱり原点かなと。
そう、原点に立ち返った感じがしますよね。なんでだろう。「ROMANCE」あたりからここ数年、詞がちょっと大人っぽい内容になったからかな、10代っぽい恋愛から20代っぽい恋愛に・・・とか思ったんですが、別に初期だって子供っぽくはないし。うーん?
などといろいろ考えてみましたが、結論としては「みずみずしさ」が戻ってきたのかなあと。最近の曲も出来が悪いわけじゃなくて、迫ってくる「生々しさ」は常にあったけど、アダルティーだったり気だるかったり技巧的だったりはしても「みずみずしさ」はやや欠けているところがあったのかもなあ、と考えました。やっぱり描かれている感情のピュアさって部分が大きいのかな。インタビュー(試聴あり)とか読むとメロディーの大元は小学校時代からあった(!)ということで、そういうのも影響しているんでしょうかね。
タイトルは「ラヴレター」ですが、 シチュエーションとしては「直接告白してふられた後」の気持ちにスポットが当たっています。でも、自らの想いをつづった『出せない手紙』も歌詞中に出てきて。この「手紙」は「気持ち」の比喩とみてもいけそうですけど、『言わずにいられない程』というフレーズや全体の流れから考えて、「ラヴレターを書いたけど出せないままだった。でも、『あなた』と会ったときにあんまりにも気持ちが込み上げてしまって、直接告白して、だけど断られてしまった」という展開を想像してみました。まあ、勝手な解釈なんですが。
でもそう考えると、ふられた後にも『出せない手紙』は手元に残っていることになるわけで、想いが実らないことが確定した後でも「好き」という自分の気持ちを嫌でも意識させられてしまう、なんて実に切ない状況が思い浮かびまして、自分好みなのです。
出だしの『一点の曇りもなく/あなたをずっとずっと好きでした』という、このフレーズだけで一曲作れそうな、ストレートに刺さってくる想い。告白したときのことを回想して、ふられたのにもかかわらず相手のことを考えて『ごめんね』『ありがとう』と言ういじましい想い。そしてふられた今、どういう顔をして「あなた」に会えばいいんだろう、という考えただけで身もだえするような感情。特に最後の想いは、ずっとたゆたうシャッフルのリズムに乗った旋律だったのを急にまっすぐにして、シリアスさを際立たせています。
それぞれに重みのある三つのピュアな感情を一曲にまとめて、しかも冬の雪が降り積もる情景をそこに浮かび上がらせてもいて。これはもう、ドリカム中でも屈指の出来と言っていいんじゃないでしょうか。
DREAMS COME TRUE
コメント(0)| Track back(0) | 2004年11月28日
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東京事変「遭難」
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バンド二作目、今回は椎名林檎自らの手による作曲。なんというか、鳴っている和音から微妙に外してくる、スケールから半音ずらしてくるメロディワークが流石って感じがします。コード上やスケール上にない音を乗せると、明快ではなく深い、一筋縄ではいかない響きになるわけで、そういうのを出したい、あるいは自然ににじみ出てきてしまうんだろうと。
わかりやすい例がサビの最後『「救助して。」』で、ここ楽器のほうは暗い感じで終わる響きになっている(=和音が短調で解決している)のに、歌の「て」は微妙に浮いた感じで伸びているじゃないですか。これだけでかなり倦怠っぽさが漂うようになるんですよね。
で、相変わらず演奏隊がどれも触れたら切れそうないい音してますよね。
歌詞も前回の「群青日和」と同じく、一見よくわからない独特の言い回しを使ってはいるものの、描かれている気持ちそのものは難解ではないです。『傷付け合いの会話』がエスカレートしていくけれども愛しさはお互いにあって、の『如何にでもなりそうな事態』。そこから相手の手を掴んで引きとめ『振り向きもせず/慈しみ合う』なかでの、『如何にかなるかも知れない』という思い。こうした、制御できず乱れるままの感情を描き出そうとするのが、椎名林檎の特徴のひとつかなと。
で、そうした、かきむしるような激情から『「救助して。」』もらいたい、引き戻してもらいたいという状況が、タイトルの「遭難」なわけですね。さらに、その状況は『「出遭ってしまったんだ。」』という言葉の示すとおり「出遭い」によって引き起こされた事態なわけで、わざわざ「遭」の字を使うあたり、うまいこときっちり掛けてるなあと感心します。なんだかカッコいいからって理由だけで「出逢い」とか、もしくは「思い」を「想い」とかわざわざ書いちゃったりする人は、椎名林檎を見習いましょう、ということで。
東京事変
椎名林檎
コメント(0)| Track back(0) | 2004年11月11日
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