J-POPヒットチャート歌詞分析ブログ

現代ポップス考。(移転しました)

BoA「Winter Love」
      

Winter Love

エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
BoA, Natsumi Watanabe, ats-, Emi K.Lynn, Takuya Harada

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<消えない強い想いも、前に進む強い決意も、どちらも強く主張する>

 冬は一般的にバラードが多くなる季節ですが、BoAは一昨年の「メリクリ」、昨年の「Everlasting」に続きまさに典型的なリリースを行っています。

 BoAのバラードの特徴は、しっとりながらもメロディがわりと泥臭いところ。今回も、細かい譜割りになっているメロディラインとはいえ、サビなんかはどこか懐かしい歌謡曲の響きがします。
 基本的に頭拍重視の進行なんですよね。最近はR&B系の、裏拍を多用するリズムで進行する曲も増えていて、どちらかというとそっちのほうが現代的な香りがするんですが、そうじゃない。わかりやすい、耳に残りやすい旋律を選んでいる感があります。

 さて失った恋を歌う内容ですが、『忘れなくてもBaby好きでもいいですか?』とかなり強い感情がまだある模様。ただし、それは「未練」とはまた別種の感情のようでして。
 『あなたで良かったって心から言えるよ』とか、「あなた」への強い気持ちはあるものの、それが未練とか後悔とか、マイナスの感情にはどうも繋がっていないんです。「あなた」が忘れられない一途さも、その二人の日々を糧にこれからも進んでいこうという強い決心も、両取りしようとしているんですね。その貪欲なポジティブさはすごいなと思いつつ、ちょっと無理があるような気もします。
 会いたい、とも言ってはいますけど、またやり直したい、という感じではないんですよねー。『約束した映画の長い列に 二人してもう並ぶ事はないの』と断言しながら、それでも想い続けるというこの状況の「切なさ」に浸っている、そんな感があります。

 ま、これはこの曲に限ったことではなく、最近の失恋ソング全般に言えることなんですが。
 消せない想いを切々と歌い上げるのが「未練型」だとすると、その終わってしまった恋の思い出を力に変えて進んでいこう、ときっぱりと前を向くのが「ポジティブ型」。未練型は聴き手をどっぷりと感情移入させられる一方、ウジウジしていると反感も買ったりする。対してポジティブ型は前向きに元気付けてくれるものの、共感のボルテージは「好き」という感情を募らせる未練型にはかなわない部分があったりして。
 この曲なんかは、そんなふたつの傾向のまさにいいとこ取りをしようとしているわけです。『会いたくてキスが100億の雪を伝うの』と、雪に絡めてドラマチックに「あなた」への冷めない想いを歌う一方で、『時が流れて 違う恋してもあなたを想い出すでしょう』と「違う恋」の礎として「あなた」の記憶を足場にしようとしているんですね。

 個人的にはちょっとそりゃ無理があるんじゃないの?と思いますが、まあ矛盾する感情を同時に孕んじゃったりするのが人間の面白いところですし、細かいことに目をつむれば「まだ好き」という強い感情に浸れつつポジティブさも得られる豪華な歌だとも言えるので、そのあたりは各自のご判断でどうぞです。


 それにしても、どうしてこんなに平凡なタイトルを付けちゃったんだろう。漠然としすぎていて曲の内容を的確に示しているとは言いがたいですし、せっかく歌詞にも登場している「100億の雪」というインパクトあるフレーズを付けることもできたのに。

BoA

コメント(0)| Track back(0) | 2007年02月06日

BONNIE PINK「A Perfect Sky」
      

A Perfect Sky

ワーナーミュージック・ジャパン
BONNIE PINK, Burning Chicken, Masato Suzuki

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<夏の弾けたイメージを全開にする一方には、現実を静かに見つめるクールな視点>

 蛯原友里が出演しているCMソングとして、スマッシュヒットとなった一曲。
 10年前から活動し、洋楽的な独自の路線を行ってコアな人気を博してきたBONNIE PINKですが、今回はバリバリのダンサブルチューン、いかにも「夏のヒットソング」的なサウンドになっていて、はじめて聴いたときはのけぞりました。えーっ、みたいな。
 強力なCMタイアップ、春には映画「嫌われ松子の一生」に出演&挿入歌「LOVE IS BUBBLE」提供、そしてこの曲のヒット後にベスト版発売など、今年になって非常に露出が増えていて、どうしちゃったのさ?という感じです。

 …が、曲調こそベタっぽいものの、詞のセンスなんかは相変わらずの部分が多く。ぱっと聴きでは脳天気な夏の歌っぽくても、『一人で飲んだギムレット』みたいな小道具とか、そもそもサビが『君の胸で泣かない』だったりと、実際にはかなりクールな視点から詞世界が描かれています。『気付いたって言わない それは危険な駆け引きかな』とか、内側で冷静にあれこれ考えている様子を見ると、らしさを維持しているなあと感じます。
 クールに物事を見つめている現実パートがメロで、でもサビでは明るく夏らしい理想のイメージを夢見ている、みたいなコントラストで構成されている感じ。詞の書き方や、また歌い方とかも従来の彼女らしさが、メロには出てきていますね。

 ちなみに「sky」はたったひとつしかないものだから「a」はつかない、正しくは「the」じゃないか?みたいな疑問もあったりします。が、ちょっと調べてみたところ、この場合の「a」は形容詞「perfect」まで含めての一語に付いているわけで…『あなたと見たい』と願っている「完璧な空」以外に「完璧じゃない空」など「〜な空」というカテゴリ分けをしているため、ここは「a」でいいようです。以上、英語の勉強でした。
 まあ彼女は昔からナチュラルすぎて逆に聴き取りにくい英語発音が特徴だったり、以前出した2枚組のベストのうち1枚は全英詞曲だけで構成されていたりと非常に英語には強い人なので、その辺はちゃんとふまえてあるんじゃないかなと。まあ、メロディに乗ったときにここで「the」が入っているよりも「a」のほうが流れが止まらずに聴き心地がいい、みたいな面もありますけれども。


 それにしても10年前、安室奈美恵がチャートを席巻していた時代に独自の路線で好きなように曲を作っていた彼女ですが、今作だけ見ると、最近の安室とは方向がまったく逆になったような錯覚に陥りますね。
 今は昔よりもずっと、今までの彼女の音楽を受け入れる層が広がっていると思うので、マイペースで行ってほしいところです。まあマイペースゆえに今回のこの曲ができたような気もしますし、この先も今回の路線で行きはしないと思うのですが。「LOVE IS BUBBLE」も相当に皮肉がきいた歌だったし。

BONNIE PINK

コメント(2)| Track back(0) | 2006年09月17日

浜崎あゆみ「BLUE BIRD」
      

BLUE BIRD

エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
浜崎あゆみ, ayumi hamasaki, H∧L, CMJK, tasuku, NISH

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<共に目指した場所へ相手だけでも進めようとする、「愛情」ではなく「友情」の形>

 いつもの浜崎あゆみです。好きな人には「いつも通りのクオリティ!」でしょうし、興味のない人には「前にも聴いたことがあるような…」という感じでしょうか。むむ。

 歌詞も、「君と僕」の対話、空への憧れ、翼を分け合う、あたりはどうも既視感が。どの曲かまではピンと来ないんですが、どこかにあったような気がする。う〜ん。
 ですが、一点気になったのが、『「〜僕の翼を君にあげる」/そう言って君は少し泣いた』というフレーズ。この歌詞の一人称も「僕」で、ここで「君」もまた「僕」と名乗っているということは、これは登場人物が少年二人、ということですよね。『「〜難しい話ははいらない/君が笑ってくれればいい」』なんていう言葉もあり、てっきり男女の恋人どうしなのかと思っていましたが、どうやら違うようです。
 …でも、そうだよなあ、でなきゃ「翼を君にあげる」というメッセージにはならないですよね。恋人同士だったら「一人で飛んでいけ!」ということが肯定的にはならないですよね。「二人で寄り添って飛んでいこう」とかになりますよね。
 「青い鳥」のタイトルからも、目的地となるのはおそらく「夢」なんですよね。その道のりの中で、もし自分がそれ以上進めなくなったら、相手一人だけでも進んでいってほしい…そう思う感情は、確かに少年同士の友情に重なりますね。

 このところわりと冒険的な曲が続いていたのですが、今回また王道に戻った感じ。次はまた『どこに辿り着くんだとしても』また新たな地平を目指してみてほしいなあと個人的には思います。

浜崎あゆみ

コメント(0)| Track back(0) | 2006年09月10日

平野綾「冒険でしょでしょ?」
      

TVアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」オープニングテーマ 冒険でしょでしょ?
ランティス
平野綾, 畑亜貴, 藤田淳平, 安藤高弘

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<「あなた」の存在よりもはっきりと前に出てくる、強気な「女の子」像>

 この春から深夜枠で放送されているアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」のオープニングテーマです。知らない方のために簡単に説明すると、このアニメは単なる一アニメ番組ではなく、第一話がかなり実験的なものだったりエンディングテーマ(こっちもそのうち書きます)の改変が異様に流行ったり、主にネットで何かと話題になっている作品でして。
 どのくらい盛り上がったかというと、企業のWeb2.0セミナーで取り上げられるくらい。それだけネット上で劇的な口コミ効果を生んでいた、と。

 で、このオープニング。ポップでテンポ速めで、女の子が「あなた」とポジティブに生きていきましょうと語る…というお手本のような内容。ただ、『真似だけじゃつまらないの』『感じるまま感じることだけをするよ』『傷つくのはイヤ』などなど、主体的・行動的・強気です。口調もどこか強気な感じ?
 こないだレビューしたAI「Believe」では、「あなたに闇から連れ出してもらった」という流れがあったわけですが、こっちでは『なんでだろ あなたを選んだ私です』。まあここでの「選んだ」は指名したとかってんじゃなく「気がついたら好きになっていた」みたいな解釈でいいと思いますけど、とりあえず「受け身」ではないんですよね。
 タイトルにもなっている「でしょでしょ」というちょっとウザいくらいの押せ押せな言い方とか、『どこまでも自由な私を見てよね』と、自らのアピールもしていたりと、かなり傍若無人というか自信満々というか、強気なイメージです。『私のちからあなたの涙 どっちも正しいの』とかも、何気なくスルーしそうになりましたが、よくよく考えてみると「私」のほうが「ちから」なのか!とかちょっと驚きますし。

 とまあポジティブすぎるくらいの女の子像が描かれているんですが、曲はノリはいいけれどそこまでスコーンと突き抜けているわけじゃなく、奥行きがあって、けっこう上品。
 これはアレンジもそうだし、全体的にセブンスが多くて深めの和音になっていたりするのが大きいところ。サビ最後が主音(ドレミでいえば「ド」ね)ではなく、ちょっとズラして伸びているのとか、そういう細かいところで複雑さを作っているなあと。

 あと、『明日過去になった今日のいまが奇跡』…ああ、「今が奇跡」ってことなのか、と理解するのにちょっと手間取りました。メロディ的に畳み掛けるキメの場所なのでわざとこういう書き方をしているんでしょう。過去の「か」と今日の「きょ」が硬い発音の音なので、印象に残りますね。2コーラスの同じ部分とか見ると、狙ってそうしたってわけじゃあなさそうですが…

平野綾
涼宮ハルヒの憂鬱

コメント(8)| Track back(0) | 2006年07月08日

BoA「七色の明日〜brand new beat〜」
      

七色の明日~brand new beat~/Your Color

エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
BoA, MIZUE, Daisuke“D.I”Imai, Chikara“Ricky”Hazama, Satomi, h-wonder

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<後も先もなく今の一瞬を、七色に輝かせていたい>

 BoAも最近はいろいろ方向に迷いの見られる感じでしたが、今回はBoAらしくてそれでいてフレッシュな雰囲気で、これくらいだと聴いていて落ち着きますね、やっぱり。
 ただ、「DO THE MOTION」「make a secret」みたいな新機軸も個人的には新鮮だったこともありますし、何より本人の成長のために大きな方向転換したりとかは、もうあきらめちゃったのでしょうか。あれだけ売り上げに直結しちゃうと、なかなか踏み出せないのかも。う〜ん。

 今回タイトルが「七色の明日」ということで。自分の脳裏には「七色ってことはきっと<虹>が比喩かモチーフとして出てくるな。雨降りの毎日、でも晴れたら綺麗な虹が出る、というパターンか」なんて実際に聴く前に考えたりしましたが、ぜーんぜんそんなことありませんでした。

 最近までの詞のトレンドって、「ある程度のストーリー性」そして「自分にとってプラスになることを追い求める」という点があると個人的には考えていまして。
 前者は、完全にひとつの物語を形成するというほどではないものの、1コーラスから2コーラス、リフレインと進むにしたがって一定の論旨の流れがあるというもの。詞世界に展開がある、ということですね。
 後者はどういうことかというと、たとえばラブソングでも「自分が成長できる」ような恋を求める傾向があるなあ、と感じるっていうか…「あなたが好き」だけじゃだめなんですね。強く生きる姿勢が描かれているものが好まれているような。ドラマの女主人公なんかも、一昔前に比べるとそんな傾向がありません?
 で、このふたつが合わさると、恋愛をベースに「落ち込んだりすること、傷つくこともある⇒でも悩んでいたらしょうがない、自分に負けちゃダメだorあなたのおかげで強くなれる」みたいな流れの楽曲ができるわけです。この手の歌が今、すごく市場に流通しているなあと感じます。

 で、この曲に関しては、そういう「流れ」も「志向」もあんまりないです。ストーリー性を生み出したいのであれば、成長していく未来を描きたいのであれば、はじめに想像したように「雨が降って虹が出て…」みたいな表現が入ってくるもんです。が、そうじゃない。「七色」は『七色の表情で想いを描くから』と、相手へ向ける感情をカラフルに見せたい、みたいな気持ち、そして『七色の明日へ飛び出そう』と、せいぜい「明日」までの未来を求めているのみです。
 これは別に悪いことってわけでもなくて、『今、大切なヒトがいる/それだけで磨かれてく』とあるように、恋をしている「今、このとき」を美しく描きたい、という観点から作られた歌だ、ということなんだろうなあと。この恋愛が傷を癒してくれるとか、この先の自分にとってプラスになるとか、そんなことよりも『理性じゃ止められない一瞬』が大切なんだ!っていうスタンスなんだと感じるわけです。

 幼いといえば幼いですが、打算的でなくほとばしる感情に忠実なんだ、とも言えるわけで、これはどっちが正しいというわけではないでしょう。ただこの頃は片方に偏りがちだったなあと感じていた自分にとっては、刹那的な今回の楽曲はなかなか新鮮に聴くことができました。オトナらしいムードを差し控えて慣れた曲調に戻ってきたBoAの状況にも、心なしか合っているような。

BoA

コメント(0)| Track back(0) | 2006年06月20日

元ちとせ「春のかたみ」
      

春のかたみ
ERJ
元ちとせ, 松任谷由実, 松任谷正隆, HUSSY_R, 間宮工, Mark Edward Cascian Nevin

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<ひとときの儚い春の美しさと、永遠へと響き続ける想い>

 松任谷由美の作詞作曲、松任谷正隆編曲というユーミン夫妻コンビ提供の楽曲。異色の組み合わせだなーと思ったもんですが、でも全然フツーに元ちとせサウンドになっててびっくり。彼女の声がやっぱり島唄全開なのでそれに引っ張られているというのも当然あるわけですが、でもちゃんと和な雰囲気に楽曲自体が作られているからだなあと。メロディラインとか、「春よ、来い」と似た手法でできているっぽいですし。

 明確なサビを持たない形式で、中心となる8小節のメロディがほとんどを占めています。その大部分が『あなただけを想う』という言葉で締められていて、よくあるフレーズだけど歌唱力と繰り返し効果によって深みが出ていますね。

 タイトルにもある「かたみ」とは、『いちばん綺麗な私を/あなただけに、あなただけに/とどめたいと思う』とあるように、過ぎ去る儚い春の季節に、春に彩られた自分の姿を「あなた」の記憶に残しておきたい、というような心情が込められているようです。『あなたの胸にこの身を任せ/私は死んでいこう』というのも、「春の儚さ」に「人の命の儚さ」あるいは「ひとときの美しさ」を映そうとしているんだなあと。
 そんな儚い春ですが、何度も「あなただけを想う」と繰り返されていることもあり、「永遠」もまた同時に感じさせるます。たとえ春が過ぎても、肉体が滅んでも、『あなたを想う声』だけはいつまでもいつまでも世界に響いていくんじゃないか…という気にさせられる、そんな歌です。

元ちとせ

コメント(0)| Track back(0) | 2006年05月26日

浜崎あゆみ「Startin'/Born To Be…」
      

Startin’/Born To Be…

エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
浜崎あゆみ, ayumi hamasaki, CMJK, Koji Morimoto, Kazuhiro Hara, TAKAHIRO MAEDA, Yuta Nakano

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<歌い手と聴き手を並列に並べることで、強く響いてくるメッセージ>

 浜崎あゆみの両A面シングル。前作「Bold&Delicious」での思い切ったハジケっぷりほどではありませんが、らしさのある曲になっているかなと。「Startin'」のほうは曲そのものの勢いが、「Born To Be…」のほうは応援ソングらしいサウンドの味付けがなかなかに魅力的だなと。

 さて、「Startin'」歌詞の基本路線は相変わらずですが、ただ今回は『僕はまっすぐすぎてすぐにぶつかる君の/その歩き方がとても好きだけど』という一文がちょっとしたアクセントになっているなと思いました。
 他のところはなんというか、「上から目線」でのメッセージなんですよね。『貫くって決めたんなら 思い切り胸張って/顔を上げる事』とか、強気にしかってくれているとも言えるわけですが、やっぱりどこか「お説教」ぽいところがあって。ただそんな中で「僕」視点で「君」の不器用な生き方を見る上の一文は、対等な関係から発せられた言葉らしくて、こういうのがひとつ入ってくるだけでぐっと親近感が沸いてくるものなんですよね。


 一方の「Born To Be…」を読んでいくと、このことがよく感じられます。こちらは『無防備な笑顔した/君や僕』と昔を思い出していて、歌い手側と聴き手側に感覚を共有させようとしているわけです。懐古・郷愁系の内容の歌は、これがあるから心に響きやすいわけで。
 この曲の場合、単に「あのころはよかった」だけじゃなく、『今なら わかる事がある』『いつかは 笑える時が来る』と、現在・未来を肯定しているところが、メッセージソングらしくてよいなあと。

浜崎あゆみ

コメント(0)| Track back(0) | 2006年05月21日

平原綾香「誓い」
      

誓い

ドリーミュージック
平原綾香, 小林建樹, 亀田誠治, 沢田完

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<力強い曲と声に乗って、応援者は選手に思いを託す>

 NHKトリノオリンピック放送テーマソング。世界的な大会らしく、壮大なスケールを感じさせるバラード…ってことですが、以前2年前のアテネオリンピック時のゆず「栄光の架橋」でも書いたように、このスポーツの祭典の観戦者たちの焦点が「興奮」や「熱狂」ではなく、「感動」へとシフトしていっている、ということが見て取れます。
 今回の、代表選手の宣誓と解釈できそうなこの詞は、さらに「誇り」が加わった感じでしょうか。『胸に誓うよ/永遠に果てしない道も/乗り越えてゆくと』というような、力強い宣言。ここまで堂々としたテーマソングって、しばらくなかったような気がします。
 ここに国民からの選手たちへの期待度の高さ、きっと大きな戦績を上げて帰ってきてくれるだろうというような活躍を確信する思いがあった…などと読み取ってみて、やけにメダルメダル騒いでいた今回のオリンピック報道を振り返ることもできそうですが、もう大会も終わっていることですし後出しジャンケンみたいなことはやめときましょう。

 この曲は壮大な響きがします。メロディにも、はっきりとした強さがあるように感じます。それは、旋律が「ド」と「ソ」を中心に据えて作られているから。ドレミファソラシドという音階があるとき、背骨の役割になるのが「ド」と「ソ」で、この2音を強調した作りにすると、がっしりした骨格を持ったメロディラインになるのです。

※この曲の場合「ド」はGで「ソ」はDになります。わかんない人は無理しなくてよいです。

 サビのリズムも「力強さ」を感じさせますね。勇壮な行進曲のイメージがあって、トランペットで吹いたらかっこよさそうです。


 詞ですが、これは選手宣誓っぽいとさっきも言いましたが、きっと「オリンピックテーマ」というタイアップが先にあって、そこから書かれたんじゃないかなと想像します。
 まず、一人称がない。「僕」でも「私」でも「わたしたち」でもない。『あきらめないから』『迷わずゆくよ』と確かに意志を持った主体はあるんですが、誰か、という特定はされてはいません。選手たちかもしれないし、観客たちかもしれない。誰を入れるのがふさわしいか、というような優先順位もない。選手も応援者も、全ての人を『生まれたての明日に/胸が高鳴』っている存在に代入することができるわけです。同時に『大切な人に届けよう』とある、やはり特定されない「大切な人」になることも、また可能です。
 つまり、オリンピックという国を挙げてのイベントに、文字通りこの曲を聴く全員が「一丸となって」いける歌なのですね。

 …こう書くとまあナショナリズムがどうたらという難しくて怖い話になりがちです。
 でもまあ、人がスポーツを観戦するのって、選手と一体化して感動を味わいたいから、応援しているみんなで興奮や感動を分け合いたいからなわけなので、あんまりそうピリピリ考えたくはないです。少なくともこの歌に込められているのは、活躍を祈ったり願いを託したりといった、応援者から選手達に『重ねた手』を通して伝わっていく純粋な気持ちだと思います。
 あ、そういう意味でも平原綾香の存在って合っているかもしれませんね。声質が壮大なだけでなく、ヘタに感情を感じさせないニュートラルさを持ち合わせていますから。

平原綾香

コメント(0)| Track back(0) | 2006年02月28日

BoA「Everlasting」
      

Everlasting
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
BoA, Natsumi Watanabe, Kazuhiro Hara, Narumi Yamamoto, K-Muto

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<別れの情景、哀愁の響きの中から表れる力強さ>

 さて、各所でアンダーグラフ「ツバサ」とこの曲のサビが酷似していると評判になっています。こりゃー確かにそっくりですねー。メロディの流れもコードも。
 まあだからといってパクリだなんだと騒ぐのは早計で、だってそんなリスクの高いことをあえてやる、というのがまずわかんないですからね。割とありがちなコード進行で、その和音をべったりとなぞっていくメロディライン(そうすると強い印象を聴き手に与えます)、というこの手の流れは、探せば他にも似たようなのはざくざく出てくるように思いますし。
 まあ、この辺の言及は、ここでやることではないと考えるので深入りはやめておきます。そのうちメルマガのほうで書こうかなあとは思っていますが…

 こうした似ている曲がある場合、サビの旋律が一緒だ、詞もどちらも別れを歌っているし、などと「どこが同じなのか」を検証してパクリだなんだと言及するのは簡単です。でもそうじゃなく、「じゃあ、違っているのはどこか、どんな部分が違うのか」を見極め、そこから両曲の性質の違いを指摘することが、このブログにおいて重要なことだと自分は考えてます。
 今回の場合、それはサビのワンフレーズの後半部分、この曲の詞でいうと『僕の笑顔をせんぶあげるよ』ですね。ほぼ似た流れながら、「ツバサ」では短調におけるVの和音を使っているのに対し、この「Everlasting」では長調のVの和音を使っている(※下注)のですね。手っ取り早く言えば、「ツバサ」よりも「Everlasting」のほうが明るい響きがする、そう響くような和音を使っているということです。
 どちらの曲もサビの入りはマイナーで始まっているので、基本的には「暗い」響き、「悲しい」雰囲気が漂っています。ただ、別れの情景に浸り込む「ツバサ」のコード選びに対して、こちらは悲しげだけどその中にも前向きで強い雰囲気を出したい…というところなんじゃないでしょうか。そのあとの『ずっとずっと忘れない』と続く部分のメロディラインや言葉の力強さを考えても、最終的には『無理やりにでも忘れなきゃ/次の自分に行けないの』と歌っているような、「前向きに進んでいく」という主張に持っていくためのコード進行なんだろうなと。


 BoAは「メリクリ」なんかもそうでしたが、バラードになると一気にこうした哀愁漂う歌謡調の曲になりますね。せっかくスタイリッシュなダンスチューンを歌っているんだから、もっとさらっとしたバラードもアリだと思うんですけどねー。
 でも意外と最近はこういう哀愁歌謡系のサビを歌う女性ボーカルって、いないような気もしますね。みんなR&B系だったりするし。ニーズは満たしているのか。

※両曲を白鍵のみの調に直すと、「ツバサ」は「E」、「Everlasting」は「G」の和音になる。
 詳しくはメルマガで…

BoA

コメント(0)| Track back(0) | 2006年02月23日

HIGH and MIGHTY COLOR「一輪の花」
      

一輪の花

SE
HIGH and MIGHTY COLOR

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<シンクロするのではなく、外側から「守る」と呼びかける強いメッセージ>

 デビューからもう一年。いまだにこの編成は不思議な感じですが、安定してシングルをリリースし続けています。レコード大賞の新人賞獲るかなーと思っていたら、なんだかAAAに掻っ攫われてしまいましたが…

 今作はかなりハイテンポでハードに攻めています。サビは耳馴染みのいいメロディですが、それ以外は楽器隊が暴れてて。あと男性ボーカルも暴れてます。絶叫してる。サウンド的には絶叫もいいんですけど、詞が「一輪の花」だとちょっと微妙かなあ…という気も。
 その「一輪の花」に「君」をなぞらえているわけですが、さて、この「君」って誰なんでしょうか。「一輪」と言うとなんだか女性的なイメージを抱いてしまいますし、『例え君以外の全ての人を敵に回しても君を守り抜くから』と強い宣言をするあたり、まあ妥当なのは男性→女性ですね。でも別に逆でも、同性相手でも通用しそうです。『君は君だけしかいないよ』というのは、万人に向けたメッセージですしね。

 『君はまるで日陰に咲いた花のよう』というのは冷静に考えるとちょっと失礼じゃないか?と思いつつ、きっと「君を守る」ということを強調したいからなんでしょう。この「守る」という感情がなければ、ほんとに「世界に一つだけの花」の焼き直しになるところでしたが、オンリーワンを謳いつつ違うところに着地させているかなと。

 ちなみにこの曲には、一人称は出てきません。ひたすら「君」に呼びかけ、「守る」と言っていますが、そこに明確な人格は設定されていないのです。これはツインボーカルを取っているため「僕」とか「私」とか言いにくいというのがあるせいでしょうかね。「I」だけじゃ済まない日本語の難しさです。
 まあ、なのでこうして聴き手とは別の立ち位置からメッセージの呼びかけをする、というほうが、彼らには向いているのかもしれません。「共感を得る」ためには、聴き手とシンクロしやすくなるよう一人称を設定できないのはちょっと不利ですが、「強いメッセージを投げる」のならば、特定の個人を表に出さなくても訴えかけることができるわけですね。なのでこうして「守る」と宣言することは、この変則ユニットとしては効果的な判断かなと。

HIGH and MIGHTY COLOR

コメント(0)| Track back(0) | 2006年02月19日

                 

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柴田淳
HIROMI

淡々とダークな作風は、
2007年も健在の模様。
今回も、決して取り乱すことなく
ドロドロの本音を聴かせてくれます。


salyu
TERMINAL

作詞に一青窈 が加わったことで、
透明な世界に徹した1stよりも
輪郭が濃くなった印象の2nd。
「to U」のソロ版も入っているけど、
あんまり必要なかったかも…?


bonobos
Standing There〜いま、そこに行くよ〜

今年の自分を振り返ると、
この手のゆったり感のある
心地よいリズムがツボでした。
PV丸ごと試聴もあります。
なかなか感動的で後を引く。


メレンゲ
underworld

前々から薦められていたバンド、
PVフル試聴あったので聴いてみました。
雰囲気、かなーり好きな感じ。
映画タイアップの関係もあってか、
田中麗奈使いすぎな感じだけど、
それだけ押したいのもわかるかも。


あずまきよひこ
よつばと!6巻

読んでいるとほっとする上に
文句なしに笑えるという稀有な漫画。

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ログログシールです。
ミクシィにおける「足あと」みたいなものです。

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